堀江 「失敗したことが人前で明らかになることを恐れない勇気」ということでいうと、僕は20代の後半から、「小学1年生のときに教室の後ろでウンコを漏らした」というネタを人前で言うようになりました。大学生の頃は、そんなこととても言えませんでしたけど、カミングアウトすることでネタになり、失敗がプラスに作用することもある。
岸見 誰も覚えていないですしね。堀江さんが漏らしたことなんて。
堀江 もちろんそうです。僕がウンコを漏らしたことなんて誰も覚えていない。過去にとらわれることなく、それをネタに変えていくくらいのポジティブさが必要なんです。だからトラウマを否定し、「現在」しか存在しないというアドラーの思想に強く共感する。
岸見 つまり、自己肯定ではなく、自己受容が大切だということです。無理に自分を肯定するのではなく、過去も含めてありのままの自分を受け入れる。堀江さんが『ゼロ』でおっしゃっていた、「なにもない自分に小さなイチを足していく」という考え方は、アドラーの言う自己受容に近い考え方だと思いました。
(続く)
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岸見一郎/古賀史健著
『嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え』
【内容紹介】
世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。
「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。
本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。
【本書の主な目次】
第1夜 トラウマを否定せよ
第2夜 すべての悩みは対人関係
第3夜 他者の課題を切り捨てる
第4夜 世界の中心はどこにあるか
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【編集部からのお知らせ】
堀江貴文著『ゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく』
【内容紹介】
誰もが最初は「ゼロ」からスタートする。
失敗しても、またゼロに戻るだけだ。
決してマイナスにはならない。
だから、一歩を踏み出すことを恐れず、前へ進もう。
堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?
ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。
【本書の主な目次】
第0章 それでも僕は働きたい
第1章 働きなさい、と母は言った──仕事との出会い
第2章 仕事を選び、自分を選ぶ──迷い、そして選択
第3章 カネのために働くのか?──「もらう」から「稼ぐ」へ
第4章 自立の先にあるつながり──孤独と向き合う強さ
第5章 僕が働くほんとうの理由──未来には希望しかない
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