「『ヘタでも通じればいい』は大ウソ」というタイトルを見て、ドキリとした人もいたのではないでしょうか? 

 世界中で英語を話す人口に占める非ネイティブの割合が増え、すこし前には1500語の基本単語でやりとりをする非ネイティブのための英語、「グロービッシュ」も話題になりました。「日本人の英語なんかわかりやすいほうだよ。中国人やインド人の英語なんて、もっとひどいじゃないか」なんて声も、ビジネスパーソンのあいだからはよく聞こえてきます。

 ところが!!! 多くの日本人が信じている「ヘタでも通じればいい」はウソだった!!! 第4回目となる今日は、『1年海外留学するよりも英語がうまくなる 完全独習英語発音トレーニング』の著者・竹内真生子さんにこの誤解を明らかにしていただきます。

「ハッピー・ニュー・耳!」とスピーチした某大臣

 悲しいことですが、日本人の英語発音がわかりにくいことは世界的にも有名です。英語が得意とされている企業や政府機関の駐在員でも、大半の人は正しい発音ができていません。ネイティブの知人によれば、彼らが一見流暢に話しているように見える英語も実際には「何を言っているのか、よくわからない」のだそうです。

 さらに、日本という国を代表している大臣級の人でさえ、外国人を前にしたスピーチで「Year(年)」と発音すべきところを「Ear(耳)」と発音してしまっているような例は、いくらでも見うけられます。本人は、「Happy new year!」と言っているつもりでも、ネイティブには、「ハッピー・ニュー・耳!」と聞こえてしまっているわけです。こうした発音ミスは、実はネイティブのあいだでは笑われているのですが、ほとんどの日本人は気づいていません。なんだか、とても残念ですね。

 なかには「インド人や中国人の発音はもっとわかりにくいじゃないか」と言う人もいるかもしれません。ですが、それは勘違い。実際には、息を吐く力が弱く、細い声でゴニョゴニョ言っているようにしか聞こえないせいで、なまりのきついインド人や他のアジア諸国の人の英語よりも、日本人の英語のほうがはるかに聞き取りにくいのです。