ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この人のためだったら、何でもできる――。
女性秘書が心底ほれ込んだリーダーの「白い心理学」

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第7回】 2014年8月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

ボスを客観的に評価する目はピカイチ
女性秘書が明かす「優れたリーダー」の条件

  本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。

 これまでは連載タイトルの通り、組織にとって問題となるネガティブな心理について述べてきたが、今回は趣向を変えて、ポジティブな側面について述べようと思う。言うならば、「白い心理学」である。

 先日、研究のため日本に帰国した際、秘書経験の長かった女性たちの話をうかがうことができた。筆者が彼女たちに尋ねたのは、「グローバル時代の優れたリーダー」についてだった。

 筆者は、リーダーについて尋ねるならば、「優秀で経験豊かな女性秘書」にインタビューすべきだと、かねてから思っていた。秘書経験の長い人は、多くのリーダーに仕えたことがあるため、相対的にどんなリーダーが優れているかを判断することができる。

 中でも優秀な秘書は、組織全体の視点からリーダーの行動理由を分析することができ、より深くリーダーシップを理解している。さらに女性のほうが、女性視点からリーダーを観察できるため、「セクハラ」「パワハラ」といった問題を抱えるリーダーを見抜きやすい、といった理由もある。

 世の中に、「リーダー」や「管理職」の肩書きを持つ人はゴマンといる。だがその中で、ベテラン秘書を感心させるほどの資質を持つ人物は、そう多くはない。したがって、インタビューでは必然的に「大多数のダメなリーダー」ではなく、「少数の優れたリーダー」について時間をとって語ってもらうことになった。

 今回は、彼女らの話の中から、特に印象深かったリーダーを2人紹介したい。

 ある中堅企業が、政府の事業を含む数億のプロジェクトを受注した。そのプロジェクトリーダーとなった人物を、仮にA氏としよう。筆者がインタビューした女性は、そのプロジェクトの秘書として採用され、そのときに初めてA氏に会ったという。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

「ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹」

⇒バックナンバー一覧