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ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

嫉妬といじめに満ちた女の園をなぜ辞められないか?
ブラック銀行で仲良し秘書の人生を分けた“心の泥沼”

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第1回】 2014年5月28日
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あなたの組織はなぜ勝てないのか?
社員を蝕む組織の「黒い心理学」

 まず初めに、この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。

 今日本の40代以下のビジネスパーソンの中で、働くことにやり甲斐を持っている人がどれだけいるだろうか。あるいは、やり甲斐のある仕事に就けるという希望をもっている学生が、どれだけいるだろうか。

 「社畜」という言葉がネットを駆け巡り、企業が非正規社員、いわゆる「派遣」やアルバイトに、分不相応な仕事を押し付ける状況がまかり通っている。

 そうした過酷な環境の中でビジネスパーソンが仕事を通して成長し、培ったスキルをその後のキャリアに活かすことができる可能性は、ほとんどない。彼らの多くは、自分たちが「使い捨ての駒」に過ぎないことを自覚しつつも、日々の生活のために仕方なく会社の要請を受け入れる。

 そのうち、ストレスによる体調不良、対人関係の悪化、うつなどに苦しむことになり、そして最悪の場合は自らの命を絶ってしまうことさえある。

 社員を疲弊させるそんな企業が台頭する日本社会では、当然ながら「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。

 単に景気が悪いから、グローバル化で生き残り競争が激しくなったから、といった画一的な議論だけでは、「勝てない組織」に根付く課題を炙り出し、問題解決を図り、「勝てる組織」をつくることは難しいのではないか。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

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