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“ダイバーシティ”“自由と平等”はおとぎ話か?
セントルイス騒乱で明らかになったアメリカの病巣
——ジャーナリスト・仲野博文

仲野博文 [ジャーナリスト]
2014年8月26日
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マイケル・ブラウンさんが白人警官に射殺されたことをきっかけに、黒人住民たちの警察官に対する不満が爆発。大規模なデモになった。それを鎮圧するために投入された警察は軍隊並の重武装で臨んだ。最終的に州兵も投入される事態になった
Photo:AP/AFLO

今月9日に米ミズーリ州セントルイス近郊の町ファーガソンで18歳の丸腰の黒人少年が白人警察官に射殺された事件では、警察による暴力や嫌がらせにかねてフラストレーションを抱えていた地元住民らがデモを決行。デモ隊に地元警察が催涙弾を発射する光景は世界中のニュースで紹介され、黒人大統領が誕生した現在のアメリカで人種問題がまだまだ残る現実が露呈された。人種問題に警察の軍隊化――。セントルイス騒乱からアメリカの抱える問題が垣間見える。

警察官がすぐに発砲
真相は明らかにされていない

 「パトロール中の警察官が犯罪とは無縁の若者に暴言を吐いたり、嫌がらせをしたという話は、私の町でもたまにあります。ただ、ファーガソンで起こったことは酷すぎます。日常の生活で人種問題がまだまだ存在することを思い知らされた気分です」

 メリーランド州ボルチモア在住の黒人女性にファーガソンで発生したデモや、そのきっかけとなったマイケル・ブラウンさんが白人警官に射殺された件について聞いたところ、彼女は開口一番こう言い放った。

 人口60万のボルチモアは、毎年200人以上が殺害される犯罪多発エリアで、全米でもっとも危険な都市の1つとして知られている。ボルチモアでもパトロール中の警察官と若者との間でトラブルが発生することは珍しくないが、ファーガソンのように警察官がすぐに銃を発砲するケースは稀なのだという。

 ボルチモア在住の黒人女性も絶句したというミズーリ州ファーガソンの白人警官が地元の黒人少年を射殺した事件。射殺されたマイケル・ブラウンさんは丸腰で、射殺される前に両手をあげて、抵抗する意思がない事を表明していたという報道もある。

 近くで強盗事件が発生していたため、無関係のブラウンさんが容疑者と間違えられたという情報もあるが、地元警察がすべての情報を公開していないため、事件の真相は公にはされていない。8月9日にファーガソンで何があったのだろうか。

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仲野博文 [ジャーナリスト]

甲南大学卒業、米エマーソン大学でジャーナリズムの修士号を取得。ワシントンDCで日本の報道機関に勤務後、フリーに転身。2007年冬まで、日本のメディアに向けてアメリカの様々な情報を発信する。08年より東京を拠点にジャーナリストとしての活動を開始。アメリカや西ヨーロッパの軍事・犯罪・人種問題を得意とする。ツイッター:twitter.com/hirofuminakano

 


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