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悪魔の対話術 ~ビジネスで「したたか」に成功する~
【最終回】 2008年9月29日
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内藤誼人  [心理学者]

ホンネを聞き出すなら「ブサイク」なほうがいい

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 魅力は美徳だ。ハンサムであるほど、美人であるほど、好意的な評価を受けやすい。

 しかしまた、魅力は時として、相手が「ホンネを明かしてくれない」ということにもつながってしまう。

あまり魅力的過ぎると
相手が萎縮してしまう

 私たち自身のことを考えてみればわかるとおり、ハンサムや美人を前にすると、私たちは心理的に萎縮してしまったり、必要以上に気に入られようとして、かえってホンネを明かさないものである。緊張しすぎてしまうのだろう。

 筆者なども、美人の女性を前にすると、あけっぴろげな性質を見せることができなくなる。おどけてみせることもなくなる。普通のような軽口は聞けなくなるし、冗談も言えなくなる。下ネタなど、とんでもないということになる。そのため、美人を前にした筆者は、いわば本物の筆者ではなく、作り物の自分を演じることになってしまう。

 もし仮に、あなたが飛びっきりのハンサム(美人)であるとすると、相手は、あなたとの心理的距離を感じて、なかなか心を開いてくれないであろう。あなたに気に入られようとして、オープンになりきれないのだ。

 魅力的であることは美徳かもしれないが、相手にホンネを明かしてもらうという点から考えると、せっかくの美貌が、むしろマイナスに作用してしまう可能性が高い。

 ジョージア州立大学の心理学者ジェームズ・ダッブス博士が、とても面白い実験を行っているので紹介しておこう。

 ダッブス博士は、魅力的な男女と、そうでない男女を道端に立たせて、470名の歩行者が、どれくらいの距離をあけて通り過ぎるのかをこっそりと観察してみた。

 すると、魅力的な男性(あるいは女性)が歩道の一番端に立っている場合、歩行者は、かなり距離をあけて通過することがわかったのである。

 面白いことに、「魅力的でない」人では、実験中だというのに、歩行者に声をかけられたり、デートに誘われることもあった。しかし、魅力的な人に声をかける歩行者は、ゼロであった。魅力的でないほうが、歩行者は気を許して接近しやすいのである。

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内藤誼人 [心理学者]

慶応義塾大学社会学研究科博士課程修了。(有)アンギルド代表取締役。現在は、企業研修や講演等で、心理学の法則をもとにした人材育成や販売促進、企画力促進などに力を注いでいる。著書に『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『人は「暗示」で9割動く!』(すばる舎)、『パワーセルフ』(ダイヤモンド社)ほか多数。


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