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China Report 中国は今

「日本が検討している間に、中国は実行している」
急成長するバングラデシュで天秤にかけられる日中

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第160回】 2014年9月12日
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 世界のどこを訪れても「メードインチャイナ」が溢れる。最近、安倍政権が外交に力を入れる南アジアでも、家電製品から衣料品や日用雑貨品まで、中国製は人々の生活の奥深くにまで入り込んでいる。

猛スピードでスマホが普及 Photo by Konatsu Himeda

 中間層が育ち、人々は消費を渇望するようになったバングラデシュにも、中国製がなだれ込む。首都ダッカではここ1年で、スマートフォンが急速に普及したが、シェアの多くを占めるのはやはり中国製だ。

 観光客相手に小型バスの運転手をするカマルさんは、スマホ片手に素足でアクセルを踏む。このギャップがいかにもバングラデシュらしいが、彼のスマホは中国の「シンフォニー」。バングラデシュではブルーカラーは中国製、ホワイトカラーは韓国製を持つのが定番のようだ。日本ブランドの影は薄い。

粗悪品だが安い中国製
高品質だが高い日本製

 市内ではATMが軒並み普及、ビカシ銀行はスマホで買い物できるサービスをも提供している。いよいよ動き出した1億6000万人の市場だが、日本はいまだバングラデシュを「アジア最貧国」として認識しているのだろうか。

 ダッカ在住の会社員アブドゥルさんは、近ごろ腕時計を買った。日本のテクノロジーは憧れだったが、最後に選んだのは中国製だった。

 「『日本製は10年の寿命、中国製は3年の寿命だが5分の1の値段だ』と紹介され、悩んだ結果、中国製を買いました」

 ダッカの、この拡大する消費市場で、人々は必ず一度は「粗悪品だが安い中国製」と「高品質だが高い日本製」を天秤にかける。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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