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1000円台で楽しむ おとなの居酒屋

東京駅のすぐそばでクサヤをつつく
ふくべ(八重洲)

浜田信郎
【第48回】 2009年10月9日
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 東京駅八重洲口側に広がる飲み屋街の一角に、今年で創業70周年を迎えた、日本酒中心の老舗酒場、「ふくべ」があります。

 現在の建物は、昭和39年に改装したもので、ヒノキの1枚板のカウンターも、そのときに新調したもの。来る日も来る日もお客の肘で磨かれ続けて、実にいい雰囲気を醸し出しています。

 「カンナをかければ、真っ白になるんだけどね。今の風合いを大切にしたいんですよ」

 と話してくれるのは、カウンター内でお燗番をする2代目店主(創業者の三男)。

 その壁には、日本各地の日本酒が、一升瓶でずらりと並べられているほか、カウンターの奥には「菊正宗」の四斗樽がでんと据えられていて、注文すると升できっちりと1合を量って徳利に入れてくれます。値段も、銘柄によって525~630円とリーズナブル。

 私もさっそく「菊正宗」の樽酒(1合577円)を燗でいただいて、つまみには、クサヤ(577円)を注文します。

 お通し(サービス)の昆布の佃煮をつつきながら待つことしばし。炙りたてのクサヤが登場です。

 東京に出てきた当初は、「いやな臭いだなあ」と思っていたクサヤ。しかし、その旨さを知るにつれ、クサヤを焼く香りが漂ってきただけで、「私もお願いします」と、ついつい便乗注文してしまうほどの好物になりました。

 生のアジを焼いたものと、アジの干物を焼いたものとでは、干物のほうが旨みが強いのと同じように、クサヤになると、その干物よりもさらに旨みが増します。

 噛みしめれば噛みしめるほどに、口の中にジワッと広がるクサヤの奥深い旨み。この一切れで、お酒がどんどん進んでしまうのです。

 メニューに並ぶつまみは、ぬたや、玉子焼き、塩辛、たたみいわし、マグロぶつ、しめ鯖、イカ納豆、冷奴、お新香など、日本酒にぴたりと合うものばかり。今の時期、サンマの塩焼きなどもあるほか、名物のおでん(682円)もおいしい季節になりました。

 「菊正宗」樽酒(577円)をもう1本おかわりして、1時間ほどの滞在は1730円。どうもごちそうさま。

 東京駅まで歩いて数分というのも、またうれしいではありませんか。

期待が膨らむ「全国有名特選酒専門 通人の酒席」の看板 食べやすいように小さく割いて出されるクサヤ。これだけで2合、3合はすぐに飲める。 じっくりとお燗をつけてくれる2代目店主

【お店情報】
店名: 通人の酒席「ふくべ」
電話: 03-3271-6065
住所: 中央区八重洲1-4-5
営業: 16:30-22:15LO(土は -21:15LO)、日祝・第2土休

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浜田信郎

1959年、愛媛県生まれ。造船会社で働く設計士。サラリーマンの傍ら、名店酒場を飲み歩く。その成果を綴ったブログ「居酒屋礼賛」は、呑んべいに大人気。著書に『酒場百選』(ちくま文庫)がある。


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