ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
山崎元のマネー経済の歩き方

お金持ちになる性格について

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第34回】 2008年6月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 大きな本屋に行くと、お金持ちになるためのノウハウや心がけを書いた本が多数並んでいる。そのなかで、一風変わった本を見つけた。荒木創造著『お金持ちになりたいなら性格を変えなさい』(ダイヤモンド社)がそれだ。

 お金持ちになるために性格や習慣が重要だと説く本はほかにもあるが、この本で特異なのはお金持ちをまったく美化していない点だ。

 著者は、お金持ちに共通な性格をありのままにわかりやすく伝えたと言うかもしれない。「あなたの中にもともと潜んでいる性格を活性化」(前書き)させればよいと言っており、ノウハウ本としては、ていねい、明瞭、かつ具体的に書かれている。しかし一方で、お金持ちになる方法を説明するかたちで、世の中のお金持ちが人間としていかに感じが悪いかを書いた確信犯的な皮肉の書ではないかという推測が捨て切れない。おそらく、両方をまじめに追究した結果がこの本なのだろう。読みようによって、本当にお金持ちになりたい人にも、お金持ちが大嫌いな人にも「役に立つ」不思議な実用書だ。

 著者は2つのことを言っている。

 まず、お金持ちになるためには、何にも勝る強い「目的」としておカネを追求しなければならない。「おカネというものは、自分の好きなことを頑張ってやっていて、それを成功させれば、自然についてくるような生やさしいものではない」と言うが、そのとおりだろう。

 証券の世界を見ても、おカネに対するモチベーションの強弱で証券マン個人のあいだには大きな差がついている。倫理や体面のうえで「汚い」仕事や、単純で興味のわきにくい仕事でも、「儲かる」という1点に喜びを見出して熱中できるような人が経済的には成功している。「熱意」は、セールスマンの成否を分ける、おそらく最大の要素だが、強い金銭欲はこれに直結する。また、「お互いのメリット」という建前を言いながら、実際には自分の利益のみを最大限に追求するような冷徹さも必要だ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


山崎元のマネー経済の歩き方

12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

「山崎元のマネー経済の歩き方」

⇒バックナンバー一覧