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“事件”でよむ現代金融入門
【第1回】 2014年10月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
倉都康行 [RPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)株式会社代表取締役]

最近の金融危機にみられる2つの特徴とは?
過去から学ぶ経済の仕組みと歴史的な背景

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金融業界で国際化と自由化が急激に進んだのは、この40年余のこと。その間、確実に増えている“金融危機=事件”はなぜ起こったのか? 次の震源地はどこなのか? 将来を見通すうえで、過去に起こった事件を丹念に追いながら、グローバル経済の仕組みや、その歴史的背景を明らかにしていく本連載。今回は、本論に入るまえに、なぜ近年の危機を読み解く必要があるのか、その意義を考えます。

 この数年、メディアで「経済危機」や「金融危機」といった言葉を目にする機会が増えている、と感じる方が多いのではないでしょうか。「リーマン危機」の嵐が吹き荒れた後には、「ドバイ危機」や「ギリシャ危機」といった文字が踊り、「ユーロ崩壊の危機」が去ったと思ったところに「新興国危機」が浮上しました。

 そして私たちは今、アメリカの大胆な金融緩和政策が終局に向かい始めた中で、ウクライナ情勢に見られるような、再び冷戦時代へと後戻りしかねない不安定な国際情勢にも直面しています。それは、今までになかったような市場の変動パターンを生むかもしれません。

ニクソン・ショック以降の
12のケースに注目

 そんな今こそ、過去に起きた“危機=事件”を振り返ることが今後の備えにつながります。市場に発生する危機の影響は「金融問題」にとどまりません。背景には金融的要因のみならず、さまざまな国家の意図やパワーバランス、グローバル化した企業の動向などが絡み合っています。それぞれの「危機」のストーリーからは、資本市場と実体経済にもたらした混乱や苦悩、その背景、政治対応や教訓などがみえてきます。

 具体的には、世界の市場経済が本格的なグローバル化に踏み出した1971年のニクソン・ショックから、リーマン危機後の落ち着きを取り戻しはじめた最中に起きた2013年の新興国市場のパニックまで、40年余の間に起きた12のケースが特に重要と考えます。

1. ニクソン・ショック(1971年)
2. 中南米危機にみる累積債務問題(1982年〜)
3. プラザ合意(1985年)
4. ブラック・マンデー(1987年)
5. 日本のバブル(1989年)
6. ポンド危機で露呈した欧州通貨危機(1992年)
7. P&Gなどデリバティブズ事故(1994年)
8. アジア通貨危機(1997年)
9. ITバブル(2000年)
10. リーマン危機(2007年)
11. ギリシャ危機に始まったユーロ危機(2010年)
12. バーナンキ・ショックによる新興国危機(2013年)

 では、なぜニクソン・ショック以降の危機が重要なのでしょうか。

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倉都康行 [RPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)株式会社代表取締役]

くらつ・やすゆき/1979年東京大学経済学部卒。旧東京銀行で主にロンドン、香港、東京にて為替、証券、新商品開発、リスク管理業務などに従事。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージング・ディレクターを経て2001年4月にRPテック株式会社を設立、代表取締役。日本金融学会会員。産業ファンド投資法人執行役員、セントラル短資FX監査役、マネタリー・アフェアーズ誌編集人、国際経済研究所客員シニアフェロー、立教大学経済学部兼任講師などを兼務。主な著書に『金融史がわかれば世界がわかる』(ちくま新書)、『金融史の真実』(ちくま新書)、『12大事件でよむ現代金融入門』(ダイヤモンド社)など。


“事件”でよむ現代金融入門

「リーマン危機」「ドバイ危機」「ギリシャ危機」・・・と繰り返し起こる経済・金融危機=“事件”について、数々の修羅場を経験した国際金融のプロが実務家の立場から解き明かしていきます。特に、金融の国際化と自由化が急激にすすんだ直近40年余に起こった“事件”からは、現代のグローバル経済の仕組みと、そこに至る歴史的背景や教訓が得られそうです。次の震源地は、果たしてどこなのでしょう?

「“事件”でよむ現代金融入門」

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