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家を買う!妻とのケンカを乗りこえて

買いどきは、妻が「ほしい!」といったとき

太田三津子 [不動産ジャーナリスト]
【第5回】 2010年2月16日
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長い目で見てプラスマイナスは?

 雑誌や新聞などで、「マイホーム取得、今がチャンス」といった特集記事がよく組まれる。物件価格が底値、ローンの金利が最低、大型の住宅取得控除がついたなど、至極もっともな理由が挙がっているので、つい「このタイミングを逃しちゃいけない」という気持ちになる人も多いのではないだろうか。

 ところが、長い目で見るとタイミングによる損得ってそれほどないのである。特に買い替えでは、不動産価格の上昇期は売値も高いが、買値も高い。逆に下落しているときは売値も安い代わりに買値も安い。

 また、物件価格が上昇するときは景気も上向き。多少物件価格が高くても、給料も上がるから返済もラクになる。逆に、不動産価格が下落するときは世の中も不景気で給料やボーナスも渋いから、ローンの組み方に注意しなければならない。その代わり、金利は低金利。景気刺激策として、住宅取得を後押しする政策も打たれる。結局のところ、プラスマイナスゼロなのだ。

 つまり、「マイホームは、欲しいときが買いどき」なのだ。不動産市場のサイクルを読むのも無駄ではないが、それ以上に大切なのは自分たちのライフステージや人生設計に照らし合わせたタイミング。それが感覚的にわかるのが女性だ。妻が「ほしい!」と言ったときこそ、夫婦げんかをせずにマイホームを取得するチャンスである。

キャンセル住戸を値引き交渉

 吉沢慶太さん(仮名、38歳)は、昨年、妻の利香子さんにせっつかれてマイホームを取得した。「日本の景気の行く末も見えないこんな時期に、大きな買い物はしたくない」としぶったが、利香子さんは「今でなけりゃ、絶対ダメよ」と一歩も引かない。すでに候補物件も探し当てていたのである。

 利香子さんが狙ったのは、評判のいい私立中学から徒歩圏で、近くには幼稚園も複数ある新築マンション。吉沢家では長男の中学受験と長女の幼稚園入園を控えていた。この物件は大規模開発の第3期で、1期、2期は高い倍率で完売した。その後、景気後退を受けてディベロッパーは3期の販売物件は価格を下げた。それにもかかわらず、ローンの不調でキャンセル住戸がかなり出てしまったことから、担当者は内々に値引きに応じることをほのめかしていた。

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太田三津子 [不動産ジャーナリスト]

1978年青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年フリーライターとして独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆するかたわら、雑誌や書籍の企画編集、座談会の司会やコーディネーターとしても活躍。共著に『次世代ビルの条件』(鹿島出版会)。日本不動産ジャーナリスト会議会員。


家を買う!妻とのケンカを乗りこえて

マイホームを賢く購入するためのマニュアル本はたくさんあるが、現実はなかなかうまくいかない。マイホーム取得には夫婦の合意が不可欠だからだ。家探しから契約、入居、買い替えの過程で、多くの夫婦が一発即発の危機を体験している。「女房は一体なにを考えているのか」とぼやく男性のために、実例を交えながら夫婦の危機回避の心得を紹介しよう。

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