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相手の「忙しい時」をわざと狙う

テクニック1-(2):粘って相手を根負けさせる「根張り法」

榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]
【第11回】 2008年7月16日
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営業において、説得力・交渉力は不可欠なもの。これまでは自己流で身体で学ぶというのが主な方法でしたが、説得のメカニズムを「科学」しておけば、誰でも効果的に説得力を身につけられるのです。

 前回、巷で「トップ営業」といわれる人たちが実践しているテクニックを5つ挙げました。今回はそのうちの「根張り法」について、具体的にご紹介します。

「粘り」で相手を
根負けさせる

 ひと昔前なら、断られても、断られても足を運ぶ熱心さに「根性があるやつだ」と相手がほだされて要請を受け入れてくれることもあったでしょう。今どき精神論を振り回してもあまり現実的ではありませんが、相手のことを考えて何度も訪問することは、いつの時代でも必要なことではないでしょうか。また、あきらめず時間をかけて説得し続けるということも、決して悪いことではありません。そんな愚直な方法が「根張り法」です。

 「根張り法」とは、説得者が相手を長時間にわたり説得し続け時間を浪費させて、拒否し続ける意欲を失わせて説得する方法です。命名に当たっては「粘る」と「根を張る」をひっかけてみました。

 居座って粘り、相手を精神的に追い込み、最後に根負けさせてしまう方法で、説得者のしつこさが武器となります。

 よくあるのが、消防署や電話局など公共機関の名をかたって、それらしい服装をして消火器や電話機を各家庭に売り込みに来るという悪徳商法のケースです。「書留です」というからドアを開けてみると、「カキトメという名前の者です」と言い訳をしたりします。「消防署のほうから来ました」(消防署から来たとは言わない)と言って、上がりこんでくるケースもあります。これは決して、正しい「根張り法」ではありません。

時には訪問時間を
巧みに利用するケースも

 しかし「根張り法」には、訪問時間帯をうまく利用すれば説得をうまく成功させることができる可能性はあります。とくに朝のあわただしいときや、夕方の忙しい時間帯などがその対象です。だれでも忙しいときに何か言って来ると、とくに重要な問題ではない限り、面倒だからとつい承諾してしまったという経験があるのではないでしょうか。

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榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]

慶応高校から慶応義塾大学経済学部を経て、慶応義塾大学院社会学研究科博士課程修了。米国スタンフォード大学留学。専門は社会心理学。主として効果的な説得戦略、およびイノベーションの効果的な普及戦略に関する研究に従事。主な著書に『説得と影響―交渉のための社会心理学』『日本列島カルト汚染―説得と勧誘の社会心理学』(いずれもブレーン出版)などがある。


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