京都は本当に外国人を満足させているか?
「宝の持ち腐れ」に気づいていない日本人

 それを最も象徴するのが京都だという。

 言わずもがなの日本を代表する観光都市で、日本文化を楽しみたいという外国人観光客も多く訪れているイメージがある京都は、日銀京都支店の試算では年間195万人もの外国人観光客が訪れており、今年は過去最多となった。十分に「文化財」という強みを活用しているように感じるが、デービッド氏によればそれは大いなる勘違いだというのだ。

「京都には国宝が40件、重要文化財は207件あります。このような観光資源の量と質を考えれば200万人というのは驚くほど少ない。大英博物館は年間420万人の外国人が訪れている。街全体にこれほどの文化財を有する京都の集客能力を、まったく生かし切れていない」

 それは外国人観光客の落とすお金を見ても明らかだ、とアトキンソン氏は指摘する。海外の様々なデータを見ると、文化財に興味を持つ外国人観光客は1日10万円前後の消費をおこなうというデータがあるが、京都では外国人観光客1人当りの消費額は1万3000円前後しかない。

「京都を訪れている外国人は台湾、米国、中国が多いのですが、実は観光客の1人あたりの支出ランキングを見ると、オーストラリア、ドイツ、カナダ、英国、フランス、イタリア、ロシアという国が並びます。これらのなかには文化財に関心が高い国が多い。つまり、京都は文化財に関心があって多くの消費をする外国人が来ていないのです」

 つまり、厳しい言い方をすると、文化財などをゆったりとまわり、贅沢な海外旅行を好む良質な外国人から、京都はそっぽを向かれてしまっている部分もあるのだ。

 なぜ魅力を感じないのか。アトキンソン氏はこの最大の原因は文化財が「冷凍保存のハコモノ」になっているからではないかと分析している。自身も京都の町家を購入し、完璧に復元するなど京都の住人であるアトキンソン氏は、自宅から歩いてすぐという二条城を例に出して、この言葉の意味するところを説明する。