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世界を巻き込む。【エッセンシャル版】――日本のモノづくりで途上国のブルー・オーシャンをつかむために
【特別編】 2014年11月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
中村俊裕 [米国NPOコペルニク 共同創設者兼CEO]

「ビジネス」を掛け算できるかどうかが、
これからの15年を左右する
2030年の企業とNPOのパートナーシップのかたち

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「グローバルな舞台で戦える企業に」
「途上国で受け入れられる製品づくりを」
企業がグローバル展開、特に途上国を中心としたBOP市場にでていく必要性についての認識は広まってきた。しかし、途上国のマーケットについて、そのリアルな実態を理解している企業やビジネスパーソンはどのくらいいるのだろう。
いま、そうした途上国の「真のニーズ」を知っている、あるNPOが世界中から注目を集めている。その名は、コペルニク(Kopernik)。国連や世界銀行といった国際機関、マサチューセッツ工科大学(MIT)や慶応大学などの大学、パナソニックなどの伝統的なモノづくり企業から協業のオファーが殺到、世界中でともにプロジェクトを行っているグローバルな組織だ。
マッキンゼー、国連を経てコペルニクを創業し、ニューヨーク、インドネシア、日本を飛び回り、20ヵ国以上でプロジェクトを行っている中村俊裕氏の来日に合わせて、コペルニクの最新の成果とともに、「これからの15年」を読み解くビジネスのあり方を聞いた。(構成:廣畑達也)

「スーパー」は小売りの中心ではない
――途上国の85%を支配するネットワークを活用できるか?

――2014年2月に書籍『世界を巻き込む。』を刊行されましたが、その後の約1年で最も大きく発展したものはなんでしょうか?

中村 今年のコペルニクで進化したものは、大きく分けると2つあります。「テック・キオスク」、そして「企業とのパートナーシップ」です。まずはテック・キオスクからお話しましょう。以前この連載のインタビューでもお話した「途上国のニーズ」の話は覚えていますか?

――確か、「消費者の9割は農村にいる。だから、そこで暮らす人のニーズをつかまない限り、広く受け入れられるものはつくれない」ということでした。

中村 そうです。この話には、続きがあります。マッキンゼーの報告書(※1)によると、たとえばインドネシアの小売市場の85%が、家族単位で経営されるような小さなビジネスで構成されている、とあります。つまり、インドネシアの人々にリーチするには、こういった伝統的なパパママ商店を押さえることが重要なのです。大きなチェーンのスーパーマーケットがない農村部では、さらにこの比率は高くなり、よって重要度は増すことになります。

――小さな売店のネットワークが85%を占めるとは……! 驚きです。

中村 「ワルン」と呼ばれているこのインドネシア農村部の小さな売店を使ってテクノロジーを普及できるのではと思いついたきっかけは、偶然にすぎません。コペルニクのプロジェクトを通じて、各国・各地の農村部を回ったのですが、行く先々で「売店」を見かけたんです。そこは、地元の人たちが、石鹸やシャンプー、水といった日常に必要な物を買っているところ。しかも、それらはどうも互いにつながっていて、1つの流通網を形づくっていることに気づきました。

 「この流通ネットワークは、コペルニクが扱うようなテクノロジーの流通にも使えるのでは?」

 そう考えて調査をしてみたところ、みなさんとても興味を持ってくれました。そこでこの売店のネットワークを通じて、貧困層向けのテクノロジー(小さなソーラーパネルとLEDライトの組み合わせで明かりをもたらすソーラーライトなど)を流通させる、というのが「テック・キオスク」です。

インドネシア、東ヌサトゥンガラ州のテック・キオスク。卓上にはソーラーライトや浄水器などが並ぶ。

――途上国の隅々まで訪ねて本物のニーズをつかんでいるコペルニクならではの取り組みですね。現在はどのくらいの規模で行っているんですか?

中村 現在のところ、60を超えるテック・キオスクのネットワークへと広がっています。来年2015年の終わりまでには、200までテック・キオスクを広げていく計画です。日本企業からも、製品のテストやリサーチなどで使いたいという声をいただき、実際にテストするに至ったのも、今年の成果でした。

(※1)From oxcart to Wal-Mart: Four keys to reaching emerging-market consumers, Mckinsey quarterly, Oct 2012

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中村俊裕 [米国NPOコペルニク 共同創設者兼CEO]

京都大学法学部卒業。英国ロンドン経済政治学院で比較政治学修士号取得。国連研究機関、マッキンゼー東京支社のマネジメントコンサルタントを経て、国連開発計画(UNDP)で、東ティモールやシエラレオネなどで途上国の開発支援業務に従事。アメリカ、スイスでの国連本部業務も経験し、ソマリア、ネパール、スリランカなど紛争国を主にカバーしていた。
2009年、国連在職中に米国でNPO法人コペルニクを設立。アジアやアフリカをはじめとする途上国の、援助の手すら届きにくい最貧層が暮らす地域(ラストマイル)へ、現地のニーズに即したシンプルなテクノロジーを使った製品・サービスを提供する活動を行い、貧困層の経済的自立を支援している。
2010年、2011年には、クリントン元米大統領が主催するクリントン・グローバル・イニシアティブで登壇。2011年にはテック・クランチが主催する「クランチーズ」で表彰。2012年、世界経済会議(ダボス会議)のヤング・グローバル・リーダーに選出された。また、テレビ東京系の「ガイアの夜明け」やNHKなどメディアへの露出も増加している。現在は大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘准教授も務め、マサチューセッツ工科大学(MIT)、コロンビア大学、シンガポール大学、オックスフォード大学、東大、京大など世界の大学で講演も行っている。2012年、ダイヤモンド・オンラインに連載「世界を巻き込む途上国ビジネス」を寄稿。著書に、『世界を巻き込む。』がある。
☆中村氏twitterアカウント: toshikopernik
☆コペルニク・ジャパンfacebookページ: http://www.facebook.com/kopernikjapan


世界を巻き込む。【エッセンシャル版】――日本のモノづくりで途上国のブルー・オーシャンをつかむために

いま、あるNPOが世界中から注目と支持を集めている。
その名は、コペルニク(Kopernik)。
「モノづくりの新しい可能性を感じさせるテクノロジーを集めたNPO」
「誰もが納得できるかたちで寄付できるオンライン・マーケットプレイス」
「クラウドファンディングを活用したマッチングモデル」
「途上国の真のニーズを拾い上げることができる組織」
などなど、その多様な側面から、国連や世界銀行といった国際機関、マサチューセッツ工科大学(MIT)や慶応大学などの大学、スタンフォード大学発のベンチャー企業といった、世界をリードする企業、組織から協業のオファーが殺到、世界中でともにプロジェクトを行っている。また最近では、企業、なかでも途上国への進出で悩む伝統的なモノづくり企業からもアツい注目を集め、パナソニックをはじめとして、多くのプロジェクトが進む。

その団体を率いるのが、共同創設者兼CEOの中村俊裕氏。マッキンゼー、国連を経てニューヨーク、そしてインドネシアで起業したグローバルリーダーで、2013年にはダボス会議のヤング・グローバル・リーダーにも選出された人物だ。
本連載では、初の著書『世界を巻き込む。』を上梓した中村氏に、
・BOPビジネス:途上国の本当のニーズのつかみ方
・日本のモノづくりの可能性と、世界でその技術を活かすための条件
・企業とNPOが手を携えることで得られるメリットとは
・グローバルに活躍できる人材とは
などのテーマでそのエッセンスを語っていただいた。モノづくりに携わる人必見。

「世界を巻き込む。【エッセンシャル版】――日本のモノづくりで途上国のブルー・オーシャンをつかむために」

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