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保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方

「プレゼンスキル」以前に重要な「基礎の学び方と教え方」

――ポイントは「苦手意識」の克服

保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]
【第8回】 2008年8月7日
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 先週土曜日に無事に前期の期末試験が終了した。この数ヵ月間の大学院生活からはアカデミックな勉強はもちろんのこと、先生の授業の運営方法からも様々学ぶことが多かった。

みんなが苦手な科目
だからこその取り組み

 早稲田のファイナンス研究科で受けた「ファイナンスのための数学基礎」の授業でのこと。初級のファイナンスや経済学を学ぶには数学を避けて通ることもできるし、四則計算で対応できる部分が多い。私もファイナンスの本を何冊か書いているが、必ず冒頭で書くことは「本書の理解には四則計算以上の数学の知識は必要ありません」というフレーズである。それぐらい数学アレルギーの人は多い。

 しかし、中級のファイナンスや経済を勉強するには、数学の知識は避けては通れない。微分、積分、ベクトル、行列など、高校数学で学んだことの延長や応用であるが、そもそも経済学部を含む文系学部に入学した人たちの多くは数学が嫌いだから文系にしたという人も少なくない。いくら高校の数学の延長と言われても、それが嫌だった、苦手だったのだから、その延長を学ぶのは非常に苦痛である。

授業内容を事前に
レジュメに全部記載

 そんな事情をよくご存知の先生は、少しでも学生の理解が進むようにと授業でいくつかの工夫をされていた。まずは、レジュメの作り方にある。レジュメには当日黒板で書くことのほとんどが事前に書かれてある。このレジュメさえあれば授業の内容は粗方理解できることとなり、授業の価値を下げるのではないかと思ったりしたが、初回の授業でその点に関して先生から説明があった。

 いわく、「授業中は黒板を向いて先生の話をしっかりと聴いて理解することに努めて欲しい」、「板書させると板書に夢中になって話の理解がおぼつかない生徒が多い」、ということである。また、事前に数週間先の授業内容までのレジュメを配布することで、シラバス以上の指針を生徒に与えていた。いろいろ試してみた結果、この方法が最も学生の理解度が高い方法だそうである。

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保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]

1974年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師。リーマン・ブラザーズ証券(東京/ニューヨーク)、UBS証券東京支店で投資銀行業務に携わる。その後、起業、投資ファンド運用等を経て、10年より小樽商科大学大学院准教授、14年より昭和女子大学准教授、2015年9月より現職。雑誌、テレビや講演で金融・経済をわかりやすく解説する。著書は「あわせて学ぶ会計&ファイナンス入門講座」「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ともにダイヤモンド社)ほか多数。早大院商学研究科博士後期課程満期退学。
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保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方

仕事と両立しながら大学院に通い始めた保田隆明が、大学院で学ぶからこそ見えてきた新しい視点で、世の中の「経済・金融ニュース」をわかりやすく解説する。

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