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部下の心をつかむ上司力トレーニング
【第5回】 2007年11月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
前川孝雄 [(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師]

成果主義での不満は、評価の低さではなく“納得感”

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 2004年に行われた厚生労働省の調査によると、成果主義は半数以上の企業ですでに導入され、従業員1000人以上の企業に限れば8割を超えています。今や成果主義は日本企業とって、スタンダードな人事制度になりつつあるのです。

 今の上司が若手だった頃は、まだ年功制が残っていた時代。昇進や昇給のスピードもほぼ横並びで、ある意味、上司の評価をそれほど気にする必要はありませんでした。「◯歳までに試験に受かったらこのポストにつき、給料は◯万円アップ、その次は……」という先々のキャリアや給与モデルが見渡せていたため、人事や昇給はいわば想定内。部下の「納得感」は高く、上司がいちいち昇進の理由に言及する場面は、そう多くありませんでした。

 しかし、上司の評価が部下の出世や給与額に直結する成果主義では、なぜそう評価したのかを上司自身が説明し、部下の“納得感”を作り出す必要があります。ここでも、やはり上司のコミュニケーション力が部下を納得させる武器になるのです。

 でも、これが実に難しい! 私が編集長を務めていたエンジニアのためのキャリア支援サイト『Tech総研』にも、成果主義にまつわる投稿が多数寄せられます。エンジニアは仕事の成果が定量化しづらく、客先に常駐していて上司と離れて働くことも多いため、成果主義が機能しにくい職種です。

 そのエンジニアの声でやはり目立つのが、「与えられた目標はすべてクリアしているのに、ろくな説明もなく評価が下がった」「同じ成績なのに、なぜか同僚だけが高評価。上司の覚えがいいからでしょうか?」といった、“納得感”のなさから出る不満です。

 これは具体的な数字でも表れています。労働政策研究・研修機構では、2004年に成果主義を導入した企業の従業員3000人を対象に、導入前と導入後の査定への納得感を尋ねています。「賃金や賞与の判断材料となる評価」に対して、「納得感が高まった」は15.1%。反対の「低下した」は28.8%と倍近くなっています。

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前川孝雄 [(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師]

株式会社FeelWorks代表取締役、青山学院大学兼任講師。
1966年兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学経済学部、早稲田大学ビジネススクール・マーケティング専攻卒業。株式会社リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」等の編集長を歴任後、多様な働く人の価値観に精通した知見を活かし、2008年に株式会社FeelWorks設立。コミュニケーション循環を良くすることで温かい絆を育み組織の体質を変えていく「コミュニケーション・サイクル理論」(CC理論)を構築。「絆」と「希望」作りによる人材育成というユニークなコンセプトで話題を集め、『上司力研修』『キャリアコンパス』『Feelリーダーシップ』など独自プログラム、人間味溢れる講師育成にも力を注ぎ、多くの企業で好評を博している。
その親しみやすい人柄にファンも多く、人を育て組織を活かす「上司力」提唱の第一人者として自ら年間100本超のセミナーもこなす傍ら、テレビコメンテーター、コラム連載などでも活躍中。現場視点のダイバーシティマネジメント、リーダーシップ開発、キャリア論に定評がある。
主な著書に『若手社員が化ける会議のしかけ』(青春出版社)、『女性社員のトリセツ』『上司力トレーニング』 (共にダイヤモンド社)、『勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』(光文社)、『はじめての上司道』(アニモ出版)、『頭痛のタネは新入社員』(新潮社)、『組織「再起動」プログラム』(ビジネス社)など多数。2011年度から青山学院大学で「キャリアデザイン特別講座」の教鞭もとる。

ブログ 「前川孝雄の“はたらく論”」 http://ameblo.jp/feelworks-maekawa/
ツイッターアカウント @feelworks

 


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