経営 X 人事

外資系人材マネジメントは
多様性と一体感の調和にシフトしている

とかく外資系企業では実力最優先のドライな人事施策をとる、と思われがちだが、それは必ずしも正しくない。現在のトレンドは「ハイブリッド型」、つまりヘッドハンティングに代表されるような外部採用と内部育成が混在するやり方にシフトしてきている、という。その理由は何か。今回はタレント・マネジメントの新潮流について解説する。

外資が重視する
タレント・マネジメント

 タレント・マネジメントという言葉を聞いた時、どんなイメージが頭に浮かぶでしょうか?

 最近、外資系企業の人事部ではタレント・マネジメントという機能が重視されてきています。

 ちなみに、私の現職での肩書きもタレント・マネジメント ディレクターです。知人に言わせると、私の肩書きの日本での響きは、芸能プロダクションのやり手のイメージだそうです。

 それもあながち間違いではないと最近感じています。なぜなら、会社を引っ張っていくハイポテンシャル人材、つまりスター人材を発掘・育成するのは、タレント・マネジメントの大切な仕事の一つだからです。

 そのためには、芸能人をデビューさせるように、オーディション(採用)で人材の個性を見きわめ、適切にキャスティング(配置)することが求められます。

 まず、タレント・マネジメントを定義してみたいと思います。

 世の中には、さまざまなタレント・マネジメントの定義が存在していますが、私は、タレント・マネジメントを次のように考えています。

 「タレント・マネジメント=将来、組織が必要とするタレントを必要量確保するマネジメント・メカニズム」

 さらに言えば、人材確保の方法は3つしか存在しません。その3つとは、外部採用、内部育成 、ハイブリッド(外部採用+内部育成)です。

 タレントマネジメントを定義する際に外部採用を含めずに、内部育成のみにフォーカスする考えが主流ですが、私は、あえて外部採用も含めています。なぜなら、組織が必要とする人材を社内の労働市場のみから供給するのが難しくなってきているからです。

 現在の外資系企業でのトレンドは明らかにハイブリッド型です。今回は、なぜ外資系企業がハイブリッド型にシフトしてきているのか、その理由を考察してみたいと思います。

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鈴木雅則

1972年福島県生まれ。QVCジャパン 人事部門 タレントマネジメントグループ ディレクター。
(米)コーネル大学人材マネジメント・組織行動学修士。GE(ゼネラル・エレクトリック)とグーグルで採用・リーダーシップ開発業務などに携わる。2011年、人事コンサルタントとして独立し、主に日本企業に対してリーダーシップ研修や人事コンサルティングを実施した。2013年、QVCジャパンに入社。2014年より現職。著書に「リーダーは弱みを見せろ」(光文社新書)がある。KPCマネジメントスクール「経営人事イノベーションコース」講師。


次世代=グローバル人事へのヒント

外国人の採用など、多くの企業が人事のグローバル化を迫られている。従来型の制度設計では齟齬を生じる場面も多いだろう。では、どのように考え、何を変えればいいのだろうか。筆者はGE、グーグルで採用と育成に携わった。その経験をベースに、一般的な外資系企業ではどんな人材マネジメント(標準的な型)が行われており、その人材マネジメントはどのような前提やフレームワークをベースに行われているのかを考察する。

 

「次世代=グローバル人事へのヒント」

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