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ただの腹痛から最悪死に至る「急性すい炎」の恐怖
――東邦大学医学部・金子弘真教授に聞く

渡邉芳裕
【膵炎編】

――「急性膵炎」になると、どういった症状に見舞われるのでしょうか?

 なにはともあれ、激しい腹痛が起きます。お腹の上部や、膵臓が胃の裏側の後腹膜に位置するため、背中に痛みを訴えることも多くあります。

 膵炎の診断基準は、3つあります。1つ目は「上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある」、2つ目は「膵臓に関連する酵素が血液中や尿中で高い数値を示す」、3番目が「超音波、CTあるいはMRIの検査で膵に急性膵炎に伴う異常所見がある」というものです。このうち2つに当てはまれば膵炎として診断されます。

 お腹が激しく痛むのは、膵臓の働きが弱くなって膵臓が腫れることによって、膵臓の周りにたくさんある腹部の神経叢(神経組織がたくさん集まっているところ)を刺激するからです。膵臓は、そうした点でも他の臓器と比べてタチが悪い臓器なのです。

 嘔吐の症状も伴う人がいらっしゃいますが、その場合は他の原因である可能性も高いですので、やはりお腹や背中の痛みを基準に考えた方がよいでしょう。

 腹痛になる原因としては様々なものが考えられますが、データをとると1位に急性胃腸炎、続いて胃潰瘍、腸管の運動機能、胆石などがあるなか、膵炎は8位になると言われています。これは数多い原因のなかで高い割合の1つと考えられます。腹痛と膵炎は、切っても切れない関係です。腹痛になったら必ず膵炎を疑った方がいいでしょう。

――重症化した場合は、どうなりますか?

 膵炎は、軽症、中等症、重症のものに分けられます。ショック状態で担ぎ込まれ、呼吸困難になる場合は重症であり、最悪のケースでは死に至ります。呼吸困難に至った場合は、直ちに大病院に転送すべきでしょう。命に関わる危険性が高まっています。

 先程もお話したように、膵臓の働きが弱まりどんどん腫れてくると、液体が後腹膜の方に溜まってきます。すると、リンパ球から分泌される「サイトカイン」が過剰分泌され、重要臓器に悪さをします。

 これが肺に及べば呼吸ができなくなり、腎臓が機能しなくなれば尿が排出できなくなります。血液に及ぶと播種性血管内凝固症候群(DIC)という血が止まらない怖い状態になり、皮膚に斑状の出血が起き、鼻血は止まらず、血尿が出るといった症状になります。そうなってしまえば、救命が難しくなります。そして、重要臓器が連鎖反応的に障害され多臓器障害に陥り亡くなるケースもあります。膵炎の大半はうまく治療すれば問題ありませんが、こういう重症例は非常に救命率が低いですので、やはり油断は禁物です。

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