ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

野心を見せた瞬間、出世は遠のく!?
“寵愛レース”を生き抜く人、脱落する人の分岐点

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第9回】 2014年12月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

本当に敵同士か、それとも味方か
“寵愛レース”に走る3人の重臣

 知人が「転職を考えている」と言ってきた。聞けば、転職先は私も知っているオーナー企業で、そこでは長年の間、3人の重臣がオーナーからの寵愛をめぐって争いを繰り広げていた。

 まず1人目が、古くからの参謀で管理部門を担当している「専務1」。2人目がメイン事業で実績のあるやり手の「専務2」。そして、3人目が新しい事業の責任者で比較的若い「常務」だ。あくまで“今のところ”ではあるが、同社に親族が入社する気配はない(*)

 この3人は非常に面白い。互いに争っているように見えて、オーナーからの寵愛を受けそうな新参者が外部からやって来ると、チームを組んで上手に追い出してしまうのだ。特に「どうやって追い出すか」などという話し合いをしている様子もないから、それは“阿吽の呼吸”としか言いようがない。これまでにも何人もの人間が、オーナーに見染められて入社しては、彼らに追い出されてきた。

 彼らのやり方はこうだ。3人がそれぞれ、新参者のネガティブな情報をボディブローのように、かつ、わからないよう少しずつオーナーに吹き込むのである。

 「前職では、トップの反対にもかかわらず、ビジネスを企画し大成功させたみたいですよ」
 「リーダーとしての自覚がある方のようで、人を引っ張っていく意識が高いようですよ」
 「入社早々、会社のいろんな問題点をピックアップして、改善案をお考えになっておられるようですよ」

(*)一人を一格落とす(常務)ところは、徳川御三家(水戸は尾張、紀州よりも格下)を参考にしている可能性が高い。同様の組織形態を取る企業は稀にある。以前お話を聞いた別の会社の社長は、2人だと派閥抗争になってしまうが、3人だと安定する。若い人を一つ格落ちさせておくのも年長者の対面が保てるので益が多いとのこと。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

⇒バックナンバー一覧