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『ザ・ゴール』がマンガになった!
【第2回】 2014年12月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
岸良裕司 [株式会社ゴールドラット・コンサルティング・ジャパンCEO]

命令形の「!」マークよりも、疑問形の「?」

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「従業員が手を休めることなく常に作業している工場は、
非常に非効率である」

『ザ・ゴール』には、こんなセリフが出てきます。

「えっ!?」と、違和感を覚える方も少なくないと思います。しかし前回でお伝えした「つながり」と「バラツキ」があるという現実を踏まえ、改めて考えみると違った考え方も見えてきます。

 例えば、「つながり」のある一連の仕事の流れの中で、それぞれのワークセンターの能力に「バラツキ」がある場合、必然的にどこかにボトルネックがあることになります。そして、そのボトルネックの前で仕事が滞留してしまいます。

 もし「つながり」と「バラツキ」を意識せずに、それぞれの人が手を休めることなく仕事をこなしていくとどうなるでしょうか。ボトルネックの前に仕事がどんどん溜まり、全体として非効率な仕組みになってしまいます。

 言い換えれば「つながり」と「バラツキ」がある場合、全体としてボトルネック以上の仕事量はこなせないのです。ボトルネックがこなせる以上の仕事を、非ボトルネックがやることにはまったく意味がありません。そこには「ゆとり」があってしかるべきということになります。

「バランスがとれた工場に近づけば近づくほど、
工場は倒産に近づく」

 この挑戦的とも思えるセリフはいかがでしょう。いくら市場の需要に合わせて工場の能力のバランスをうまく取ろうとしても、現実にはなかなかうまくいかないのには理由があります。

 市場の需要には「バラツキ」があります。また、工場の能力にも「バラツキ」があります。これは避けがたい現実です。ムダをなくそうとして、市場の需要に合わせて、生産能力をぴったり100パーセントに近づければ近づけるほど、いかなる変動も受けつけられない、ゆとりのまったくない仕組みになってしまいます。こうした仕組みの中では、ごくわずかの変動でさえ、それぞれの「つながり」のせいで、全体にダメージを与えてしまうことになります。

 これが「生産能力を市場の需要に100パーセント合わせて縮小すると、スループットは減り、在庫が増えることが実証できる」というジョナのセリフの意味するところなのです。つまり「つながり」と「バラツキ」がある場合、ものごとは変動するという現実を考えるなら、「ゆとり」がなければ効率的な仕事はできないということになります。

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岸良裕司 [株式会社ゴールドラット・コンサルティング・ジャパンCEO]

1959年生まれ。株式会社ゴールドラット・コンサルティング・ジャパンCEO。日本TOC推進協議会理事。TOCをあらゆる産業界、行政改革で実践し、活動成果のひとつとして発表された「三方良しの公共事業改革」は、ゴールドラット博士の絶賛を浴び、2007年4月に国策として正式に採用された。成果の数々は国際的に高い評価を得て、活動の舞台を日本のみならず世界中に広げている。08年4月、ゴールドラット博士に請われて、ゴールドラット・コンサルティング・ディレクターに就任し、日本代表となる。そのセミナーは、わかりやすく、実践的との定評がある。著書に『全体最適の問題解決入門』『「よかれ」の思い込みが、会社をダメにする』(以上ダイヤモンド社)などがある。
 

 


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