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トンデモ人事部が会社を壊す

コンサルタント出身の社長が
社員に総スカンを食った理由

山口 博
【第15回】 2015年1月27日
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「前職ではこうしていた」、「前職ではこうだった」が口癖の社長が、前職と同じ施策の導入を強行した挙げ句、社員から「実験くん」と揶揄され、猛反発を受けるに至った。合理的な導入理由と同じ程度に、相手の気持ちに寄り添う感受性が重要であることを示す事例を紹介したい。

 社員から「実験くん」と呼ばれた社長がいる。グローバル・コンサルティング会社A社のコンサルタントから転職し、IT企業U社の社長に就任した三村氏である。

 三村社長は、U社で次々と“実験”を展開した。受付の無人化、会議室へのプロジェクターの常設化、デスクのフリーアドレス化、技術職社員の裁量労働適用、部長職の個室の廃止、社長直々のコンサルティング教育、社員教育のためのU社ユニバーシティの設置、OBネットワークの構築、本部制の導入、等々である。

 そして、それらの“実験”は、ほとんどが成功した。受付の無人やデスクのフリーアドレス化は、顧客や社員に大きな不都合を与えることなく、収益向上に貢献した。技術職社員の裁量労働適用は社員の自由度を高めたし、部長個室の廃止は社員コミュニケーションの向上に役立った。社長直々の社員教育は社員のスキルを高め、OBネットワークは売上に貢献、本部制は意思決定を迅速化した。

 まさに、グローバルコンサルティング経験の粋を集めた社長直々のイニシアティブである。さぞかし、社員から支持を集めたと思われるだろう。しかし、社員からの支持を、得ることは全くできなかったのである。それどころか、最終的には、社員から不信任をつきつけられることになる。その理由は、つきつめれば、三村社長の口癖にあった。

「前職ではこうだった」の一点張りが
社員からの猛反発を買った

 その口癖とは、(前職のグローバルコンサルティング会社の)「A社ではこうしていた」、「A社ではこうだった」である。

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山口 博

やまぐち・ひろし/慶應義塾大学法学部政治学科卒(サンパウロ大学法学部留学)、長野県上田市出身。国内大手保険会社課長、外資系金融保険会社トレーニング・シニア・マネジャー、外資系IT人材開発部長、外資系企業数社の人事部長、人事本部長歴任後、現在、コンサルティング会社のディレクター。横浜国立大学大学院非常勤講師(2013年)、日本ナレッジ・マネジメント学会会員。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある。

 


トンデモ人事部が会社を壊す

サラリーマンの会社人生のカギを握る人事部。しかし近年、人事部軽視の風潮が広まった結果、トンデモ人事部が続々と誕生している。あっと驚く事例をひもときながら、トンデモ人事部の特徴や、経営陣がすべき対処法などを探っていく。

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