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7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則

【失敗4】

巨大化した企業サイトが
ブランディング目的だけで運営されている

田中猪夫 [一般財団法人 日本総合研究所 特命研究員]
【第5回】 2015年1月23日
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 今回は、連載第4回で解説したデジタルマーケティングの構成要素としての「物の軸」と「人の軸」(クッキーまで→コンバージョンまで→リードデータまで→ホットデータまで)のうち、「物の軸」にフォーカスした失敗研究を行う。

 現在、デジタルマーケティングを含めたマーケティング全体が「ファクトデータに基づくマーケティング」に進化しており、既存の組織でWebマスターがアドテクを取り入れる発想だけでなく、根本的に組織的な対応を行う企業が出てきた。

 そういう意味で、今回の「失敗4」は、企業の競争力に直結するものではないかと考えている。

Webマスターの役割が
大きく変わってきた

 Webマスターは、企業、制作スタッフ、ユーザーの三者間のハブ的な役割を果たす。配下のプロデューサーやプロジェクトマネージャー(対企業)、Webディレクターやコンテンツプランナー(対制作スタッフ)、社内ユーザーやサポートセンター(対社内ユーザー)を束ねる役割で、オウンドメディア、ソーシャルメディアなどのWebメディアにおけるコーポレート・ブランディングのガバナンスに責任をもっている。

 グローバル企業であれば、グローバルに展開する商品は、「個」として地域を拡大したり、「個」として情報を深く掘り下げ、コールセンター(社内)やオム二チャネル(社外)に展開したいはずだ。

 しかし、Webマスターにより束ねられた企業のWebサイトが、ビジネスという側面で「個」に責任を持つのか、「個」を束ねるという意味で「横断」に責任を持つのかが曖昧な形で、職務として「個と横断が混在」しているのが、現在のWebマスターの属する組織の状況ではないだろうか。

 Webマスターという職務は、連載第1回にあるように、90年代後半から企業がWebサーバーを構築する必要性が高まり、社内外からの専門家職員(Professional employee)を活用し、各社のホームページを作ることが目的ではじまった。

 ホームページが巨大化し、複雑化してきたなかでも、企業のブランディングを第一に考え、コンテンツの正確性や運用プロセスのルーティン化、運用のガイドラインやルール化などのガバナンスを重要視してきた。

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田中猪夫 [一般財団法人 日本総合研究所 特命研究員]

1959年11月19日、岐阜県生まれ。日本版システム工学を専門とする。20代に、当時発売したばかりのPCでのVARビジネスを創業。30代に、イスラエルITテクノロジーの日本への展開に尽力。40代には外資系ITベンダーの日本法人のマネジメントを務める。現在は一般財団法人日本総合研究所の特命研究員。「デジタルマーケティング経営研究会」を主催・運営。主な著書 『あたらしい死海のほとり』。問い合わせはこちらまで。


7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則

なぜデジタルマーケティングに失敗するのか。問題は経営層、マネージャー層、そして現場のマーケターそれぞれにある。筆者が目撃した7つの失敗事例を分析し、それぞれの問題点と解決策を考える。

「7つの失敗から学ぶ デジタルマーケティングの原則」

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