ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい
【第5回】 2015年1月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
井上和弘 [ICOコンサルティング会長]

赤字決算にしたら、
実際どれだけお金が残るのか?

1
nextpage

これまで決算を赤字にすることで、不要なキャッシュアウトを防ぐことを述べてきた。今回は、ケーススタディとして、資産のオフバランス化でどれだけキャッシュをためられるのかを見ていくことにする。

不動産を売るために子会社をつくる

 「オフバランスすると節税になるというのは、なんとなくわかりました。ただ、どうもいまいち具体的にイメージできません」という方もいらっしゃるので、数字を使って具体的に説明しましょう。

 E社は、九州地方で建設資材を取り扱う専門商社です。直近の業績は芳しくなく、5年前に借り入れた5億円の借入金が重くのしかかっています。金利は2%、年間1000万円の大きな負担です。しかも、その借入金には、本社の土地、建物が担保物件として設定されています。

 卸売業というのは、薄利な業界です。いまは業績がちょっと上向いていますが、これからは確実に需要がしぼみ、じり貧の世界に突入します。そもそも、E社は不動産業ではないので、自社で土地、建物を保有する必要がありません。ちょうど先代が引退し、現社長が経営権を握っています。この際、本社の土地、建物を売却して、借入金を一気に返済しようと計画しました。

 経理部に確認させたところ、土地の簿価は4億円、建物は1億円とのこと。けっこうあります。現在の評価は、土地2億円、建物5000万円、合計2億5000万円です。評価額は、不動産鑑定士の評価をもらっているので安心です。念のため、鑑定士は2人に依頼して評価してもらっています。まったく同じ評価ではなかったため、低い評価のほうを選択しました。

 E社には、グループ企業はありません。ですので、まずは子会社F地所を新しくつくります。E社の土地、建物が魅力的で買い手がたくさんいればよいのでしょうが、そんなところは現れません。だから、子会社をつくって、そこに土地、建物を売却することにしたのです。F地所は、不動産の賃貸を軸とした不動産管理会社という位置づけです。100%子会社だとまずいので、E社の顧問税理士を外部株主に入れておきました。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


井上和弘 [ICOコンサルティング会長]

アイ・シー・オーコンサルティング会長。1942年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業。大手コンサルティング会社を経て、独立。企業再建の「名外科医」として、赤字会社の中に入り込み、社長や役員を叱りとばしながら思い切った手を果敢に打って短期間に収益を回復させる。カネ回りのよい仕組みづくりで、衰退産業でも儲かる経営に変えている。経営指導歴45年、これまで450社を直接指導。オーナー社長のクセを知り尽くし1社もつぶさず、一部上場はじめ株式公開させた企業も十数社にのぼる。その実力と人柄に惚れ込んだ社長は数多く、長年の信頼感から後継子息を託す人が後を絶たない。「後継社長塾」「経営アカデミー」(日本経営合理化協会主催)など、日本一高いといわれるセミナーを開いても、常に満席になる人気講師でもある。著書に『社内埋蔵金をお金にする知恵』(中経出版)、『だから、あなたの会社は倒産する』(PHP研究所)、『カネ回りのよい経営』『儲かるようにすべてを変える』(日本経営合理化協会)、『企業は腰できまる』(ダイヤモンド社)などがある。


儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい

利益は出ているのに、なぜか会社にお金が残らない。お金(キャッシュ)を残すには、収入を上げるか、支出を減らすしかない。国内人口が減少 し、海外との競争が激しくなる中で、収入を増やすことは困難だ。一方、支出を減らして資金流出を抑えることは意外に簡単にできる。普段はあま り気にしない「借入返済」と「税金」という2大キャッシュアウトを抑えれば、お金持ち会社に変身できる。

「儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい」

⇒バックナンバー一覧