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ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

ゆとり、バブル、老害…職場の「合わない人」へのレッテル貼りに潜む心理

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第18回】 2015年2月4日
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「合わない人」にレッテルを貼って
コミュニケーションを避けていないか

 本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。

 社会で暮らしていれば、ウマの合う相手、ソリの合わない相手は必ずでてくる。会社組織でも同じだろう。相手の言っていることが、理解できない。何でそんなことを言うのかわからない。話し合おうとしてもかみ合わない、そのうち話し合うこと自体にも疲れてくる。

 だが、同じ部署、同じ職場である以上、嫌でもつきあわなくてはならない。非常にストレスだが、しょうがない。

 このようなことは、どの職場でも、誰にでも起こることだ。だがここ最近は、そういった「合わない人」が特に増えているようだ。

 その代表的なものが「世代間ギャップ」である。50代以上の管理職は、若手社員から「老害」と呼ばれる。かつては、大きな働きをしたのかもしれないが、いまでは、低賃金であえぐ若者を尻目に、悠々自適だ。かつて、コンサルの友人が女性リーダー社員の研修会に参加した時のこと、その女性たちは、この世代の男性を「粘土層」と呼んでいた。

 粘土層とは、自分たちよりも上のポジションにいる年嵩(としかさ)のオジサンたちで、使えないくせにベターッと粘土のように貼り付いている人たちを指す。粘土なので、風通しが悪く、組織のコミュニケーションが停滞する。粘土なので、重く、固まっていて、新しいことや挑戦的な取り組みに動こうとしない。粘土なので、上を見上げてもべったりとした鈍い灰色、希望の青空が上にに見えてこない。

 他にも、仕事、特にIT系の知識がないため、部下に頼らざるを得ないのにやたら威張る、飲みに行くしか趣味はないのか、と言いたくなるほど飲み会ばかりで翌日は二日酔い、仕事に口は出すが責任はとらない、などの行動がある。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

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