クレーム対応のコンサルティング20年のプロフェッショナルから見た最近のクレーム状況は、ますます悪化するばかりだという。昨年末から話題になった食品への異物混入はじめ最近のクレーム事情と、これにどう対応すればよいかをアドバイスする。(取材・構成:メディアポート)

ネット情報とマスコミ報道の“相乗効果”

 昨年末から年明けにかけて、異物混入騒動が日本列島を席巻した。

 発端は、カップ焼きそば『ペヤング』の「ゴキブリ騒動」。商品に虫のようなものが混入していると、写真付きでツイッターに投稿され、瞬く間に拡散した。製造元のまるか食品は「製造過程で異物が混入した可能性を否定できない」とし、商品の自主回収・製造中止を決めた。

 ロングセラー商品が店頭から消えてまもなく、こんどは日本マクドナルドでの異物混入が立て続けに報道された。「チキンナゲットにビニール片」「チーズバーガーに発泡スチロール」「ポテトに歯」……。その後は連日、なにかしらの「異物混入事件」がマスコミに取り上げられるようになった。

 この一連の騒動で特徴的なのは、ネット情報とマスコミ報道の“相乗効果”である。食品に混入した「異物」のネット画像がショッキングであるだけに消費者の関心は高く、同時にマスコミにとっては格好のネタになった。

 マスコミの過熱報道が騒動に拍車をかけたわけだが、ここで見落とせないのは、こうした風潮のなかで、「普通」に見える人がクレーマー化していることである。そして、その多くは“正論モンスター”である。