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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

戦略的意思決定では初めから正しい答えを得ようとしてはならない

上田惇生
【第141回】 2009年5月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
現代の経営
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「戦略的な意思決定では、範囲、複雑さ、重要さがどうであっても、初めから答えを得ようとしてはならない。重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることである」(『現代の経営』)

 教科書は事実を収集せよという。だが問題を定義し分類しないことには、それは不可能である。

 問題の定義と分類によって、関係のあるデータ、すなわち事実が何であるかを知る。おもしろいが関係のないデータから解放される。情報のうち何が有効かを知る。

 重要な意思決定、すなわち大きな意味を持つ意思決定は、戦略的な意思決定である。戦略的な意思決定を行なうには、状況を把握することが必要である。

 ドラッカーは、仕事であれなんであれ、ただちに意思決定を行なえる問題などほとんどないという。

 一見して重要な要因が本当に重要であったり、そもそも関係があったりすることが稀である。それらのものは、せいぜい兆候にすぎない。しかも、最も目立つ兆候が問題の鍵であることは稀である。

 意思決定において最初の仕事は、問題を見つけ、それを明らかにすることである。この段階ではいくら時間をかけてもかけ過ぎることはない。

 「意思決定についての議論のかなりの部分が、問題の解決すなわち答えを出すことに集中している。間違った焦点の合わせ方である。問題の解決だけを重視してよい意思決定は、さして重要でない日常の戦術的な意思決定だけである」(『現代の経営』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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