
夜中に目覚める中途覚醒は正常な現象であり、睡眠の仕組みに基づく自然な目覚めであることが多い。しかし、不快感を伴う場合や日中の眠気が続く場合は注意が必要だという。睡眠マネジメントの重要性を唱える医師・石田陽子氏がハイリスクな中途覚醒の特徴を説く。※本稿は、石田陽子『Dr.Yokoの睡眠マネジメント 眠るほど、ぐんぐん仕事がうまくいく』(文芸社)の一部を抜粋・編集したものです。
ぐっすり眠れた夜にも
中途覚醒している理由
終夜睡眠ポリグラフィー検査(編集部注:睡眠中の脳波や呼吸状態などの生体的変化を測定する検査)で他覚的に観察すると、誰にでも多少の中途覚醒はあります。自覚的には、一度も目覚めずにぐっすり眠ったつもりでも、他覚的には中途覚醒していることが多いです。
そもそも睡眠中は意識がないので、睡眠中に覚醒しても、「睡眠状態から覚醒状態に移行した」と知覚することはできません。むしろ中途覚醒には気づかないことが一般的なのです。
夜中に目が覚めるという相談をよく受けますが、目が覚めること自体は異常ではありません。特に睡眠の後半に目が覚めて、すぐ二度寝するような中途覚醒には、なんの心配もいりません。
REM睡眠から覚醒すると、夢の内容を覚えていることが多いため、非現実的な夢の場合はその直前まで眠っていたことを知覚しやすく、目が覚めたという感覚があります。
睡眠の後半に、REM睡眠や最も浅いNREM睡眠から目を覚ました場合、もう眠くない、スッキリしているという印象がありますが、これは「睡眠完了」のサインではありません。