セールストークの基本は、
「メリット→裏づけ→商品説明」

 営業マンが「この商品は素晴らしくて……」というような商品説明をしたとたん、お客さまの心に、購買抵抗(心理的リアクタンス)が起きてしまうのです。下記のアンケート結果を見てください。

Q. 営業担当者のプレゼンテーションで「聞きたくない」と感じるのは?
1位 顧客のことを考えない商品の売り込み42.3%
2位 自社の商品、サービスの列挙22.4%
3位 長々とした会社案内17.3%
4位 実績や自慢話10.2%
5位 他社の悪口やネガティブ・キャンペーン7.8%
※対象:購入意思決定者300名(購買担当者、総務責任者、世帯主など)
※複数回答可

 いかに「売り込み」「商品説明」がお客さまを遠ざけてしまうかがよくわかります。購買抵抗を薄めるには、「商品」ではなく、「メリット」を出発点に説明をすべきなのです。例を挙げます。

「(1)今日は、このようなメリットがある話をお持ちしました。(2)これを実現するために、当社ではこのような技術を開発しました。(3)その技術が搭載されているのが、この商品になります」

 このように「(1)メリット→(2)技術的な裏づけ→(3)商品説明」の順番なら、「メリット」に紐づいて話が進みますから、売り込みの印象を和らげることができます。そして自然と、商品・サービスへの興味・関心を高めることができるのです。お客さまの選択肢を奪うことも、「自分で決めたい」という欲求に蓋をすることもありません。