ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
今週のキーワード 真壁昭夫

言語道断のお家騒動
大塚家具はなぜ混乱に陥ったか

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第367回】 2015年3月9日
1
nextpage

目立つ同族経営の混乱
当事者は経営者失格

記者会見を行う大塚家具の大塚久美子社長
Photo:東洋経済/アフロ

 最近、同族経営に関するニュースを目にすることが多い。大塚家具の父と娘の確執、ソフトメーカーの創業者関連の相続問題、さらには雪国まいたけの創業家内部の対立など、いわゆる“お家騒動”などが目立つ。

 “お家騒動”は最近の企業経営に限らず、世の東西を問わず、古代から現代まで様々なところで起きていることだ。肉親間の争いがいったん始まってしまうと、血のつながりがある故に解決の糸口を見つけることが難しくなるようだ。

 肉親として信じていた人同士が争うと、どうしても遠慮がなくなったり、心の中の肉親という意識が邪魔をしたりして、物事が一段と難しくなってしまうのだろう。

 しかし、企業経営に“お家騒動”を持ちこむことは言語道断だ。肉親同士の反目や争いは、一族間で好きなように自由にやればよい。企業という社会の公器の中に持ち込むべきではない。

 今回の大塚家具の親子の反目は目に余るものがある。創業者である父親と、父親の後を継いで社長に就任した長女が同社のビジネスモデルについて反目し、それに長男等の肉親が加わって大騒ぎになっている。

 ビジネスモデルに関する見解が異なることは、普通の企業でも十分に起こり得ることだろう。しかし、その場合には、意見の異なる者同士が議論を重ね、一つに方向に収束させることが企業経営者としての役目だ。

 大塚家具のケースでは、経営者はその役割を果たすことができていない。いくら同族企業だからと言って、企業に大きな混乱を持ちこむことは許されない。当事者は経営者失格ということになる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
ビジネスプロフェッショナルの方必見!年収2,000万円以上の求人特集
ビジネスプロフェッショナルの方必見!
年収2,000万円以上の求人特集

管理職、経営、スペシャリストなどのキーポジションを国内外の優良・成長企業が求めています。まずはあなたの業界の求人を覗いてみませんか?[PR]

経営課題解決まとめ企業経営・組織マネジメントに役立つ記事をテーマごとにセレクトしました

クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

注目のトピックスPR

話題の記事

真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


今週のキーワード 真壁昭夫

経済・ビジネス・社会現象……。いま世の中で話題となっているトピックス、注目すべきイノベーションなどに対して、「キーワード」という視点で解説していきます。

「今週のキーワード 真壁昭夫」

⇒バックナンバー一覧