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コカ・コーラが入れ込む
“アルミ缶コーヒー”の深層

週刊ダイヤモンド編集部
2015年3月10日
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 今年1月30日、大手化学メーカーの昭和電工が、栃木県下の子会社の工場にコーヒー向けアルミニウム缶の製造設備をひっそりと新設した。昭和電工は顧客について固く口を閉ざすが、業界では、これが日本コカ・コーラ向けの設備であることは周知の事実である。

昨年まで、ミルク入り缶飲料にアルミ缶を使う際には、安全性を保つ高精度の対策を講じ、業界団体から個別承認を得る必要があった
Photo by Naoyoshi Goto

 実はこれまで、国内のミルク入り缶コーヒーの容器はほとんどがスチール缶だった。業界団体が約30年にわたり、ミルク入り缶飲料でのアルミ缶の使用を自粛するよう要請してきたからだ。

 ミルク入りの缶飲料は致死率の高いボツリヌス菌が繁殖する可能性があるが、アルミ缶では、それを発見しにくいというのである。

 軟らかいアルミの飲料缶は一般的に、薄くても強度を保てるようにするため、中にガスを入れて内圧を高めている。つまり、もともと缶が膨れているため、菌が増殖したことによる缶の膨張を消費者が察知できない恐れがある。

 製造工場では缶の底をたたき、音の振動で内部の圧力を測る「打検」で菌が増殖していないか確認している。ただ、打検はスチール缶のように底が平らでないと難しく、ドーム型にへこんだアルミ缶では確認が困難だとされる。

アルミ缶導入の効用

 そんな状況に一石を投じたのが日本コカ・コーラだ。

 もっとも、昨年8月には工場の衛生管理の進化を踏まえて業界団体の「申し合わせ事項」が変更され、ミルク入り缶飲料にアルミ缶を使うことが認められやすくなった。しかし、日本コカ・コーラは“アルミ缶解禁”に先んじ、昨年4月ごろからアルミ缶コーヒーの販売を始めているのだ。

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