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【特別企画】脱・勘とドンブリ経営

ファクトベースで検証する出店戦略〈1〉

店舗の現状を把握するためのフレームワーク

ダイヤモンド社クロスメディア事業局
【第1回】 2015年3月20日
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店舗経営者の悩みは尽きない……

 市場環境や消費者行動が急速に変化する中、流通小売企業の出店戦略が期待するほどの効果を上げることが難しくなっている。大手、中堅企業でさえ、成功の前に多くの失敗を経験している。そもそも固定費が高く利幅が小さいという事業特性から、利益が出るまでに時間がかかるのだ。

 綿密な戦略がない限り規模の効果も出しにくく、競争も激しい。成功を手中に収めるには、業界特性を踏まえた上で綿密かつ周到な準備と高度の戦略性が求められているわけだが、実際は勘と経験に頼ったり、「こうあってほしい」という希望がそのまま需要予測データに置き換わったりして、安易な意思決定が行われている。

 さらに、出店にあたっては、自社事業の特性や成長性に加え、物件調査などの不動産知識も必要だ。だが、そういう人材を育てるには時間がかかるし、市場環境は刻々と変わってしまう――。流通小売企業の経営者の悩みは尽きることがない。

 こうした経営者の課題に最適解を提示する専門コンサルティング会社がある。ディー・アイ・コンサルタンツは、全国の小売・飲食・サービス業を中心に、これまで3万8000件以上の店舗展開戦略を成功に導いた。本連載では、同社のコンサルタントが「稼ぐ店舗」を創るための独自のノウハウ、精度な調査手法の一部を紹介する。

 第1回は、売上が低迷する既存店改革について、どのような原則に従って戦略を立てるべきかを榎本篤史社長に聞いた。

流通小売の競争優位の決定打

榎本篤史
ディー・アイ・コンサルタンツ
取締役社長
2003年、ディー・アイ・コンサルタンツに入社。出店戦略、売上予測の仕組みづくり、売上予測調査など、数多くのコンサルティングに従事。都市型・郊外型の飲食・小売・サービス全般を得意とするシニアコンサルタントとして確かな実績を積み上げ、2014年に取締役社長に就任する。

――チェーンストアを展開する企業の多くが事業戦略、特に出店戦略の成功方程式を探し続けています。ハンバーガーチェーンの王者が一気に転落したり、コンビニチェーンは一強多弱を含む混戦が続いたりと、攻防が激しく話題の尽きない業界です。

 流通小売企業とひと口にいっても、コンビニ、ファストフード、スーパー、ドラッグストア、ホームセンター等々、業態はさまざまです。高業績企業には、ブランド、仕入れ・品揃え、プライシング、人材などでさまざまな優位性がありますが、競争優位を決定づけるのは店舗展開です。

 これについて、ここ10年のトレンドを見ると、1社で複数の業態を展開する企業が増えています。以前は、ハンバーガーチェーンのように1つの業態を展開するパターンが主流でしたが、近年は100店舗を10業態の10店舗ずつに分けて展開するといったマルチブランド化が進んでいます。そういう企業は、1つの業態の売上が落ちるとすぐに別の業態にチェンジするというドラスティックな店舗運営を行っています。

 もう1つのトレンドが、スーパーやコンビニなどによる宅配サービスの拡大です。これまでは顧客に来店してもらうのが当たり前でしたが、最近は既存店活性化の一環として自宅に届けるスタイルが増えつつあります。こうした店舗の売上を分析する際には、複眼的な視点が必要です。例えば、テーブル席やカウンター席があって、テイクアウトサービスも提供しているファストフード店には、飲食と小売の両方の側面がありますから。

 店舗の業績を上げるための基本要件は、エリア内の顧客をいかに多く取り込めるかです。そこで最近のコンビニでは、エリアの特性に合わせて商品構成を変える動きが広がっています。また、私たちが手がけた店舗改革の中には、商品カテゴリーで売り場面積を最適化することで売上を伸ばしたケースもあります。綿密な調査に基づいて科学的に分析すれば、既存店の活性化は十分可能です。

<<<関連資料【既存店活性化のプロセス】【売上要因分析の考え方】>>>

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【特別企画】脱・勘とドンブリ経営

流通小売企業の経営者の多くが、出店戦略に頭を抱えている。固定費が高く利幅が小さいという事業特性に加え競争が激しいため、出店戦略の失敗は命取りになりかねない。流通小売の売上向上は新規店と既存店とも高度な戦略性が求められるわけだが、実際は勘と経験に頼ったり、「こうあってほしい」という希望がそのまま需要予測データに置き換わったりして、安易な意思決定が行われている…だが諦めるのはまだ早い。「稼ぐ店舗」を創るためのフレームワークは実にシンプルなのだ。こうした経営者の悩みに最適解を示す。

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