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大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

国連防災会議、大川小保存を卒業生が世界に訴え

池上正樹 [ジャーナリスト],加藤順子 [フォトジャーナリスト、気象予報士]
【第46回】 2015年3月15日
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スピーチの前、緊張した面持ちで原稿を読み直す卒業生たち
Photo by Yoriko Kato

 国際的な防災戦略について議論する国連主催の第3回「国連防災世界会議」が14日から、東日本大震災の被災地、仙台市で始まった。

 この会議は、国連加盟国193ヵ国の国際機関やNGOなどが参加して、ホスト国日本の「防災ノウハウ」を世界に紹介する目的で開催されている。前回は、10年前の2005年、阪神大震災の被災地、神戸市で行われた。

 この会議の市民向けのフォーラムで14日、4年前の東日本大震災で、学校管理下の児童と教員84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の卒業生たちや遺族も、それぞれ3つの会場で、世界に向けて「防災」を語った。

大川小校舎を残すことで
「津波や地震の怖さを後世に伝えたい」

 「宮城県子ども支援会議」(宮城県の教育・福祉担当部署と被災者支援団体で構成している会議)が主催する「東日本大震災に学ぶ大災害と子ども・子育て支援活動のあり方」というシンポジウムで発表したのは、大川小卒業生の佐藤そのみさん(18)、紫桃朋佳さん(17)、只野哲也さん(15)ら。会場をぎっしり埋めた約200人の参加者の前で、次のように大川小保存についての意見を語った。

 震災から3年が経った頃、そのみさんたちは、大川小の校舎解体を望む遺族の声が高まっていることを知った。主な理由は、校舎を見るのが辛いというものだったという。

 「大川小の校舎を残したい」

 そんな思いから、以前からたった1人でメディアを相手に発信していた只野哲也さんを中心に、同じ意見を持つ大川小の卒業生6人で活動を始めた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 

加藤順子 [フォトジャーナリスト、気象予報士]

気象キャスターや番組ディレクターを経て、取材者に。防災、気象、対話、科学コミュニケーションをテーマに様々な形で活動中。「気象サイエンスカフェ」オーガナイザー。最新著書は、ジャーナリストの池上正樹氏との共著『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)。『ふたたび、ここから―東日本大震災・石巻の人たちの50日間』(ポプラ社)でも写真を担当し、執筆協力も行っている。他に、共著で『気象予報士になる!?』(秀和システム)。最新刊は『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)。
ブログ:http://katoyori.blogspot.jp/


大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校。この世界でも例を見ない「惨事」について、震災から1年経った今、これまで伏せられてきた“真実”がついに解き明かされようとしている。この連載では、大川小学校の“真実”を明らかにするとともに、子どもの命を守るためにあるべき安心・安全な学校の管理体制を考える。

「大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~」

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