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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

小米スマホ躍進の陰で泣く、
中国部品メーカーの断末魔

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
2015年3月19日
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 先月、石川県を訪問したとき、強烈に感じたのが創業百年以上の長寿企業の多さだ。確かに規模はそんなに大きくはないが、企業の歴史がとにかく長い。その長寿の秘訣を探り、その長所を学ぶべきだと認識したのは、おそらく私だけではない。

 ここ2、3年、中国で一番話題を集めている企業は、小米科技(シャオミ)だ。創業からわずか5年で売上高1兆円を達成し、中国市場でサムスン電子を抜いてシェア1位となった中国のスマホ・メーカーである。

低価格・高品質を武器にシェアを伸ばす小米のスマホ
(小米HPより)

 インターネット時代の企業らしく、シャオミはオンライン・オペレーション能力を駆使して多くの分野に業務範囲を広げ、次から次へと神話を作っている。たとえば、2014年9月、インドで、ネット販売を通してわずか4.2秒でスマホ4万台を完売した。続く10月には、4秒で今度は10万台を売り切った。

 日本の携帯電話メーカーが国境の壁を越えられないことに苦悩しているだけに、このシャオミの人気は日本でも大きく注目を浴びている。

シャオミ創業者の雷軍氏は
日本企業の姿勢を高く評価

 いうまでもなくシャオミを率いる創業者・雷軍氏も話題の人物となっている。アップルのスティーブ・ジョブズに心酔しているので、スタイルも行動もそのまねをしているという議論があり、シャオミの成功を見て、彼を中国のスティーブ・ジョブズと呼ぶ人まで出ている。

 しかし実際のところ、雷氏はかなり日本企業に心酔している。インターネット時代の企業がもつべき特徴を雷氏は、「専注、極致、口碑、快」と定義している。つまり、ある分野や製品に集中する(専注)、到達することのできる最高の境地を求める(極致)、評判のよさ(口碑)、スピード(快)という意味だ。

 実は、この「専注、極致、口碑」は雷氏の日本企業に対する、特に日本の長寿企業に対する評価だ。「餅は餅屋」ということわざがあるように、日本社会はある製品や専門分野に専心し、その製品の品質も極致に達するほどの高いレベルにある企業に多大の敬意を払っている。ここは中国企業がもっとも学ぶべきところだと雷氏はいたるところで強調している。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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