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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

“受験英語”を“使える英語”に変える実践的会話術

鈴木寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]
【第28回】 2015年4月16日
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東大を出ても話せない日本人の英語力
しかし悲観することはない

英語を「使える」ようになりたいとは、誰もが思うが…… Photo:foly/PIXTA

 こんにちは、鈴木寛です。

 新年度に入りました。新入生、新社会人ならずとも大半の読者の方が「心機一転」、いろいろと目標を立てられていることでしょう。毎年「定番」として上がるのが語学。「今年こそ英語を話せるようにしたい」「TOEICの点数をアップする」、そう意気込んでいる方も多いと思います。

 以前聞いた話ですが、NHKの英会話講座のテキストはこの時期が年間で最も売れるそうです。週刊ダイヤモンドも4月4日号で英語の特集を組んでいましたが、しかしビジネス誌が年明けや年度代わりで「英語」特集を毎年のように組み、NHKのテキストも半年ほど経てば“脱落者”が増えていくような状況を見ていると、語学へのニーズが高い割に日本人のビジネスパーソンが英語に悪戦苦闘している現状を痛感させられます。「中学から10年英語を習ったはずなのに、さっぱり使えない」――そうした悩みがなかなか解消されません。

 最近、TOEICが発表したデータによると、2014年度の日本国内での受験者数は3種類のテストの合計が262万人を超え、過去最高を更新しました。3つのテストの中でも、日本人が苦手なアウトプットの部分、スピーキングとライティングの能力を図る「S&Wテスト」の受験者数は前年度比6割超の増加率だったとのこと。

 「使える英語」を志向する動きは高まっているようですが、一方で、13年のTOEICの平均点は512点。48ヵ国中40位にとどまりました。アジアではタイ(493点)、ベトナム(469点)は上回ったものの、中国(716点)、マレーシア(682点)、韓国(632点)には抜かれて久しい状況です。

 もちろん、各企業の奨励で受験者数が増加し“大衆化”している日本と、少数精鋭の“エリート”受験者主体の国とでは事情が違いますので、一概に比較できない面もあります。また日本の産業従事者の約8割は海外市場と縁遠いローカルマーケットで働いていますから、英語ができないことに悲観的になり過ぎる必要もありません。ただ、我が国を代表する有名大学を出たのに、英語がほとんど話せない人が多いという状況だけは改善しないとなりません。

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鈴木 寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官として大学入試改革などを担当している。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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