ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
エコカー大戦争!

乗り捨てできるカーシェアリングは日本で流行するか?(下)

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第202回】 2015年5月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

駐車場管理会社の事業拡大として
サービスを基点に新ビジネス開拓

 ではここで、パーク24グループ全体の組織形態を確認したい。

 この数年間、全国各地の駐車場で一気に目立つようになった黄色地に黒字の「Times」のロゴ。このタイムズ駐車場の運営とカーシェアリング事業を行うのがタイムズ24社だ。この他、駐車場の管理を行うタイムズサービス社、レンタカー事業を行うタイムズモビリティネットワーク社、コールセンターを運営するタイムズコミュニケーション社、ロードサービスを行うタイムズレスキュー社、保険関連サービスを行うタイムズサポート社、この他に台湾と韓国に時間貸駐車場を事業展開する現地法人がある。これらのグループ各社を統括・管理するのがパーク24社だ。

 「クルマをコモディティとして捉え、その周辺サービスのすべてを弊社グループ内で完結するシステムになっている。今後、自動車産業において、サービスを基点としたパラダイムシフトが本格化すると考えており、そうしたなかで、この度始めた弊社で利用した車両の中古車販売を含め、さらなる事業拡張を進めていく」(間地氏)。

 同グループの創業は1971年、東京都品川区西五反田で駐車場関連製品の設計施工・販売を始めた。1991年には、東京の上野で無人時間貸駐車場を開始。1992年5月にタイムズ24社(現在のタイムズサービス社)を設立した。

 クルマを貸すサービスへの本格参入は、2009年3月のマツダレンタカーの買収からだ。

 同年5月にマツダレンタカーの「カーシェア24」を基盤として、カーシェアリング事業を開始。その当時のカーシェアリング事業の規模は車両50台、会員数1000人弱だった。その後、2010年6月にブランド名称を「タイムズプラス」として、プロモーションを強化した時点で、車両数は630台に増えた。その後、同事業は急激に拡大していく。

 転機となったのが2011年3月11日、東日本大震災だ。JR等の公共交通機関が運休し自宅へ帰れない体験をした人たちが、移動手段のバックアップとして会員になる傾向が出てきたのだ。その後、2012年4月に会員数10万人を超えるあたりから、利用者による友人への口コミ効果が広がった。

「タイムズカーレンタル」では、有人の貸出店舗にある情報読み取り機による簡易貸出サービス「ピッとGo」を開始。「タイムズカープラス」会員がネットやスマホでのレンタカー予約時、クレジットカード支払い専用によるサービスとして選択できる  Photo by Kenji Momota

 2013年4月にはマツダレンタカーを「タイムズカーレンタル」へ名称変更したと同時に、カーシェアのタイムズプラスも「タイムズカープラス」とし、「タイムズカー」で車両貸し事業のイメージを統一。このあたりから事業が波に乗り始め、2013年5月に会員数20万人、2014年1月に30万人を超えた。そして2015年3月末時点で45万7264人、車両数は1万1284台(2015年10月末まで1万3000台導入目標)、ステーションは38都道府県で6462ヵ所まで拡大している。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
好評発売中!
「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」

ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車の共存でビジネスモデルは混沌!トヨタ、ホンダ、日産、三菱など日本メーカーは世界で勝てるのか?年間飛行機移動時間が最も長い日本人自動車ジャーナリストが世界のエコカー事情を徹底取材。市場・インフラ、技術、政策、各社の戦略を詳細かつヴィヴィッドにレポート!

話題の記事

桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


エコカー大戦争!

「エコカー=日本の独壇場」と思っているとすれば、それは大間違いだ。電気自動車、ハイブリッド車を巡る市場争奪戦はこれからが本番。日本は序盤戦を制したに過ぎない。世界規模の取材でエコカー大戦争の行方を探る。

「エコカー大戦争!」

⇒バックナンバー一覧