ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
起業人

アパレル業界の常識を破壊
世界を目指す“鎌倉シャツ”
メーカーズシャツ鎌倉会長 貞末良雄

週刊ダイヤモンド編集部
【第91回】 2009年10月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
貞末良雄
メーカーズシャツ鎌倉会長 貞末良雄

 バブルが崩壊し、長期不況のとば口にあった1993年、貞末良雄は妻と2人で古都鎌倉に小さなシャツ専門店を開いた。わずか15坪(約50平方メートル)の店の名は、「メーカーズシャツ鎌倉」。それから16年、“鎌倉シャツ”の愛称で親しまれる同社の製品は、いまや年間30万着を超える販売数を誇る。

 顧客の評価を集めたのは、なんといってもその品質の高さにある。綿100%の高級生地だけを使い、縫製は世界最高レベルを誇る日本国内の工場で行なう。品質の高さは、抜群の着心地、質感を生み出す。百貨店なら1万円を下らない高品質にもかかわらず、価格は5145円(税込み)とリーズナブル(一部製品を除く)だ。

 今のファッショナブルな姿からは想像もつかないが、大学卒業後に貞末が選んだ職業は「特殊ランプの設計士」。電気工学の専攻を生かしての就職だった。もっとも、「先祖代々、繊維商人」という血を引く者には「勉強すればそれでいい」技術者の世界は居心地のいい場所ではなかった。

商人目指しアパレルへ
時代をリードする師匠石津謙介の衝撃

 「商人になりたい」──。

 ほどなく、自然にアパレルの道を選び直した。入社したのは、若者のファッションに革命を起こした伝説の男、故・石津謙介が率いていたヴァンヂャケット(以下、VAN)だった。

 今でも先生と呼び、崇拝に近い思いを抱く。日本にメンズファッションを浸透、定着させたという実績からだけではない。石津の教えは時代を一歩も二歩も先んじていた。「物質的に満足した後には、環境重視の時代がくる」「生活全体をデザインする、その一部に服がある」──。現在にこそ通じる思想を、30年以上も前に説いた。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


起業人

先達の苦難の道のりには、汗と涙に彩られた無数のドラマがある。そして、起業家達の苦闘の中には明日への成功のヒントとノウハウが凝縮されている。

「起業人」

⇒バックナンバー一覧