インターンシップで
自己分析と企業研究

  就職活動で大切な「自己分析」と「企業研究」を、働きながらできる。こうしたインターンシップは有益だろう。さらには、その企業が望む進路だと思い入社に至れば、実際に働いたことがある職場なので当然ミスマッチは起こりにくい。

  仮にその企業を選ばなくても、実践的なインターンシップに参加した学生は、働くことのイメージを持ちやすく、企業選びが的確であることが多い。

「社会科見学的インターンシップ」には
注意が必要

  一方で、インターンシップに積極的に参加しているにもかかわらず、本選考ですでに苦戦している人も多く見かける。

「どれも楽しそうで、一社に絞れない」
「どこも良さそうな会社に見える」
  こんな感想を覚えたら、要注意だ。

「絞れない」組の特徴は2つある。
  一つは、受け身でいられるプログラムばかり選んで参加していること。いわゆる会社説明会の延長のようなものや、社会科見学的、そこで働く体験というよりビジター(お客さま)的参加しかできないプログラムのインターンシップでは、なんとなくの雰囲気はつかめても、日々の業務内容や職場の雰囲気、自分の適性までは見えてこない。

  もう一つは、積極的な発言や質問をしていないことが挙げられる。
「自分はこんな仕事をしてみたいのだが、貴社にそういった業務はあるか?」など、踏み込んだ質問を企業に投げかけている学生は、早い段階で自分に合う企業・合わない企業を見極めている。なかには、インターンシップには参加したけれど本選考は受けないという選択をする人さえいる。

  様々な課題を抱えながらも1年目を迎えている2016卒の新卒採用。
  現時点での様子を3回にわたりレポートした。
  選考の長期化やインターンシップの盛り上がりがある中で、大いに迷う学生がいる一方で、確実に適性を見極めて進路を見つけ進んでいる学生もいる。
  今年の学びを生かして、現在大学3年生が中心の2017卒は、学生と企業の相互理解が深まるミスマッチの少ない採用活動にすべく、今できる準備をしてもらえればと思う。