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【特集・クラウドと、どう向き合うか(5)】

なぜオラクルはパブリッククラウドに
本腰を入れ始めたのか

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第87回】 2015年5月11日
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クラウドコンピューティングは、ICTベンダー自身にも従来の製品販売からサービス提供へと、ビジネスモデルの大きな転換を迫る。果たしてベンダー各社は、どのような事業戦略を描き、激戦市場を勝ち抜こうとしているのか。今回は日本オラクルの取り組みを紹介する。

パブリッククラウドサービスを
本格的に全面展開

日本オラクルの杉原博茂 取締役 代表執行役社長兼CEO Photo:DIAMOND IT Business

 「2020年までにナンバーワンのクラウドベンダーになる」

 日本オラクルの杉原博茂社長がこのビジョンを掲げたのは昨年4月。自身の新社長就任会見でのことだ。とはいえ、当時はオラクルのクラウド事業の全容が明らかになっておらず、「本気なのか」との声が顧客やパートナー企業から聞かれた。

 そんな見方を払拭したのが、米オラクルが昨年9月に米国サンフランシスコで開催した「Oracle OpenWorld」、さらに日本オラクルが今年4月に都内で開催した「Oracle CloudWorld」である。

 オラクルはこれらのイベントで、ハードウェアを中心としたICT資源をサービスとして提供する「IaaS(Infrastructure as a Service )」、ソフトウェアの開発・実行基盤である「PaaS(Platform as a Service)」、アプリケーションソフトウェアを提供する「SaaS(Software as a Service)」、さまざまなデータを提供する「DaaS(Data as a Service)」からなるパブリッククラウドサービスを整備して一堂に見せ、本格的に事業展開していくことを明確に打ち出した。(下図参照)

オラクルのパブリッククラウドサービスの全体像(出所:日本オラクル資料)

 さらに、米オラクルの創業者であるラリー・エリソン会長兼CTO(最高技術責任者)やマーク・ハードCEO(最高経営責任者)もこれらのイベントで、「ナンバーワンのクラウドベンダーを目指す」姿勢を鮮明にした。

 杉原氏はOracle CloudWorldの記者会見で、「オラクルは世界第2位のSaaSベンダーであり、SaaS、PaaS、IaaS、DaaSのすべてを包括的に提供できる世界で唯一のクラウドベンダーだ。これらを合わせたパブリッククラウドサービスの売上規模はグローバルでこの半年において10億ドルを超え、このままのペースでいけば年間で20億ドルを超える形になる」と、急速な勢いで事業が拡大していることを強調した。

 さらに同氏は直近の四半期(2015年度第3四半期:2014年12月~2015年2月)において、新規顧客数がSaaSで800社、PaaSで400社に達し、とくにSaaSにおけるERP(統合業務ソフトウェア)クラウドの累計顧客数が1000社を超えて同分野で最大規模のサービスになっていると、伸長著しい事業の中身を明らかにした。

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松岡 功 [ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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