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オヤジの幸福論

資産運用も「スループット」する時代

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第38回】 2015年5月26日
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前回は「インフレが当たり前の環境では、『運用するリスク』よりも『運用しないリスク』が顕在化するため、海外先進国では確定拠出年金(以下、DC)において何も意思決定をしない人のお金をライフサイクル投資で自動運用させることが常識となっている」とお話ししました。とは言うものの、オヤジ世代の中には「勝手に運用されてしまうのは嫌だ! 今まで通り、元本割れしない預貯金にしてほしい」と思う方もいらっしゃると思います。でも、私は多くの方にとって海外では常識の自動運用の仕組みは合理的であると考えます。

 以下で、その理由について触れていきますが、ここでのキーワードは「スループット(Through put)」です。オヤジ世代の皆さんはこの単語をご存知ですか?

「スループット」で仕事を効率化

 先日私はテレビのとある番組で初めて、「スループット」という単語を知りました。その番組では、最近の若者はインプットやアウトプットに加えて、「スループット」も活用しているという文脈でこの新しい言葉を使っていました。気になったのでインターネットで意味を調べてみたところ、もともとはIT関連用語で、“単位時間当たりの処理能力”という意味があることがわかりました。ただ、この番組では、従来からの意味ではなく「スループット」を“インターネット上にある膨大な知識を借りてきて、そのまま活用する”という意味で使っていました。いわゆるコピペに近い概念ですから、これには眉をひそめる人たちも多いようです。しかし、私は従来から自分の専門ではない分野においては「スループット」を実践することで仕事の効率化を図っているため、この考えにまったく違和感はありません。

 もちろん、何から何まですべて「スループット」では自分の核がなくなり職業人としては問題がありますが、要はインプット、アウトプット、そして「スループット」のバランスが重要なのだと思います。得意な分野はインプットからのアウトプットを自分で考えて行い、そうでない分野はインターネット上の叡智を借りて「スループット」する。若者のみならず、オヤジ世代のようなシニアのビジネスマンもすでにこのようなスタイルで仕事に取り組んでいる方が多いと思います。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


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年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

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