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ターゲットイヤー・ファンド

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第1回】 2007年10月16日
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 ターゲットイヤー(目標年型)ファンドとは、呼んで字の如く、定年などの時期をターゲットにして、それまでと、それ以降の運用の仕方=リスクの取り方を変える投資信託の一種だ。定年時を目標年とした商品は「定年投信」という呼び方でも知られている。

 一般的には、ターゲットとなる時期まではリスクの高い株式などの保有割合を高めにして、運用収益の向上を目指す。一方、期限が到来すると、それ以降は出来るだけ運用利回りの向上よりも、より安定志向の強い投資手法で運用するように設計されている。

 この仕組みによると、ライフステージの若い頃には、多少リスクをとっても相対的に高い運用利回りを手にすることが可能である一方、定年を迎えて以降は、安定した収益を確保することを想定している。米国などでは、こうした仕組みの投資信託が数多く存在し、投資家は様々なニーズに合わせて投信のメニューを選択することが出来るようになっている。

 最近、わが国でターゲットイヤー・ファンドが注目を集め始めた背景には、主に三つの要因があると考えられる。

 一つは、団塊世代が定年時期を迎えていることもあり、老後の生活に対する意識が高まっていることだ。1947年から49年までに生まれた、いわゆる団塊世代が定年期を迎えていることや、少子高齢化が加速したことによって、多くの人々が老後の生活を考えざるを得ない状況になっている。そのため、ライフステージを考えた資金運用のニーズが盛り上っており、定年時期をターゲットとしたこの種の金融商品に対する需要が拡大している。

 二つ目は、公的年金制度に対する信頼度が低下していることだ。公的年金の事務処理等については、社会保険庁の扱いが杜撰であることが明確になった。そのため、人々の公的年金制度に対する信頼度はかなり低下している。「公的年金制度に頼ることができないのなら、自分で何とかしなければ」ということになる。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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