ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
オヤジの幸福論

オヤジ世代にだって、資産形成に十分な時間はある

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第19回】 2013年7月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 私たちが投資において合理的な行動をなかなか取れない原因は人間固有のバイアスにあるため、それを回避する策として、前回は自分の意思を極力排除してあえて資産形成を「仕組み化」することを提案しました。具体的な方法としては分散投資、長期投資、積立投資などがありますが、まず分散投資に関して、なるべく多くのものに投資をすることによって投資効率が高まるという効果について説明しました。今回は二つ目の長期投資を取り上げます。

お金がお金を産む効果:複利効果

 長期投資には二つの効果があります。一つはお金がお金を産む「複利効果」で、もう一つは長期で見るとプラスとマイナスがならされる「時間分散効果」です。

 まず、複利効果についてお話しします。100万円を投資する場合、毎年3%のリターンが得られると想定すると、運用で得られたリターンをその都度確保して再投資しないケースでは元本は一定で、資産は毎年100万円の3%、つまり3万円ずつ増えます。元本とリターンの合計は1年目が103万円、2年目が106万円、3年目が109万円となり、こうして計算されるリターンを「単利リターン」と呼びます。

 一方、運用で得られたリターンを再投資する場合は、リターンの分だけ元本が毎年増えていきます。1年目は100万円の3%なので元本は3万円増えて103万円になり、2年目は103万円に対して3%のリターンが得られるので元本は3万900円増えて106万900円になります。単利の場合、2年目は106万円ちょうどでしたので、こちらのほうが900円多くなります。このようにリターンを再投資した場合のリターンのことを「複利リターン」と呼び、複利リターンと単利リターンの差が「複利効果」となります。

 2年間で900円という差は子供の小遣い程度ですが、実は複利効果が本領を発揮するのは長期投資においてなのです。複利効果は時間の経過とともに加速度的に大きくなり、元利合計は雪だるま式に膨らんでいきます。先ほどと同様、元本100万円で毎年3%のリターンを得られるケースで25歳から65歳まで40年間投資を続けた場合、元利合計は単利運用の220万円に対し、複利運用では326万円と、その差は2年間の900円とは比べ物にならない106万円にもなります。これが「時間を味方につける」長期投資の大きなメリットの一つである複利効果なのです。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


オヤジの幸福論

年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

「オヤジの幸福論」

⇒バックナンバー一覧