ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
「会社のワガママちゃん」対処法

「きっと上手くいくに違いない」と思える感覚が、ワガママちゃんを成長させる

松崎一葉 [筑波大学大学院 産業精神医学・宇宙医学グループ 教授]
【第6回】 2009年8月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 人格が未熟なワガママちゃんは、困難に遭遇すると自分に都合のよい言い訳をして仕事を回避したり、仕事が上手くいかないと他人のせいにして逆ギレして攻撃的になるなどの特徴があることを、これまでの連載で述べてきました。つまり彼らは、自分にとってプレッシャーになるようなストレスを、上手に処理する力が身についていないのです。

 今回は、このような「ストレス対処能力」を育てるために重要な3つのポイントをご紹介します。

強制収容所から生還した人々を
研究することで生まれたSOC

 ユダヤ系アメリカ人の医療社会学者A・アントノフスキー博士によって提唱された、SOC(sence of coherence、首尾一貫感覚)と呼ばれる能力があります。博士は、ナチスのユダヤ人強制収容所から終戦とともに無事に生還した人々の追跡健康調査を行いました。この調査によれば、多くの生還者は、あまり長生きはできませんでした。

 ヒトは一般的に、極めて過酷な環境に、ある期間さらされると、心身のエネルギーが消耗してしまい、健康を保ちにくいと言われています。ところが生還者のうちのある集団だけは、心身ともに極めて良好な健康状態を保ち、天寿を全うしたそうです。博士はその集団の性格特性を精緻に分析しました。その結果、その人々に備わっていた能力・性格特性が、SOCという概念に集約されることが明らかになったのです。

 詳しい内容は、アントノフスキー博士の著書『健康の謎を解く』(山崎喜比古監訳、吉井清子監訳、有信堂高文社、2001年)や『ストレス対処能力SOC』(山崎喜比古、戸ヶ里泰典、坂野順子編、有信堂高文社、2008年)などの書籍をご覧いただければと思いますが、現代においてこの概念は、ワガママちゃんを成長させるために大いにヒントになるものだと私自身は捉えています。

ストレス対処能力がなければ
激動の時代は乗り切れない

 現代は激動の時代です。ワガママちゃんのみならず、彼らを管理し成長させなければならない皆さんにも高度なストレス対処能力が必要ですね。SOCの構成要素は以下の3点です。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

松崎一葉 [筑波大学大学院 産業精神医学・宇宙医学グループ 教授]

1960年生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程修了、精神科医、医学博士。東京都庁知事部局健康管理医、宇宙航空研究開発機構(JAXA)主任研究員、茨城県警察本部健康管理医のほか、企業の精神科産業医として国内外で活躍。著書に「会社で心を病むということ」(新潮文庫)、「もし部下がうつになったら」(ディスカバー携書)など。

 


「会社のワガママちゃん」対処法

「傲慢なのに打たれ弱い」未熟なワガママ社員が増え、多くの管理職が振り回されている。しかし、対処法を間違えば、彼らは「うつ」になるケースも。彼らとどう付き合っていけばよいのか、その方法を紹介していく。

「「会社のワガママちゃん」対処法」

⇒バックナンバー一覧