「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「経験」で語り始めたら黄信号
30代までは勢いと稼働量で押し切れます。
しかし、40歳前後になると、体力の限界・役割の変化・若手との比較が一気に可視化されます。
このときに「昔はこうだった」「現場感としては…」と、経験ベースで語り、現状を数字で確認しなくなると、パフォーマンスは緩やかに、やがて急激に落ち込みます。
ワースト1:自分を数値で見られない
自分の売上、担当案件の粗利、育成に割いた時間、資料作成工数……。
こうした指標を把握していない人は、劣化しても気づけません。
感覚ベースで「まだやれている」と思い込み、実際の成果とのギャップが年次とともに拡大します。
評価は結果で下がるのに、本人の自己認識は高止まりしたまま。
ここから、組織的に扱いづらい人材が生まれます。
数値がないと起こる劣化の3段階
「忙しい」という自己申告が増える。
若手と比較したときの生産性の差が広がる。
任せられる領域が縮小し、役割が形骸化する。
この三段階は静かに進み、気づいたときには配置転換か、「戦力外」の判断領域に近づいています。
今日からできる自己数値化チェックとして、以下を最低でも週次で記録しましょう。
・稼働時間の配分
・成果の指標(受注・粗利・完了案件数)
・改善指標(エラー率/時間の短縮)
これらを可視化すると、どこを手放すか・どこを仕組み化するかが見えます。
数字化は冷酷ですが、立て直しの唯一の材料です。
仮面をかぶって、数字で自分を再設計する
「まだいける」「経験値では負けない」という感情は自然です。
しかし、評価を決めるのは感情ではなく事実です。
内心のプライドを脇に置き、仮面をかぶって自分を数値で測りましょう。
数字を受け入れ、仕組みに落とし、役割を再定義できる40代だけが、次のステージに進みます。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計170万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。