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本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方
【第6回】 2015年6月1日
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佐藤達郎 [コミュニケーション・ラボ代表]

プレゼンは「対話」と考えるとすべてうまくいく

新刊『本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方』の出版を記念して講演を開催。日々の仕事で困っている「話し方」についてのレクチャーや質疑応答をダイジェスト版でお届けします。

「会話」「対話」だと思えば、すべてが解決できる

佐藤達郎[コミュニケーション・ラボ代表]
1959年生まれ。81年一橋大学卒業。多摩美術大学教授(広告論、マーケティング論、メディア論)、コミュニケーション・ラボ代表。大学卒業後、スピーチ・プレゼンがとにかく苦手で「コピーライターになれる」という理由で、旭通信社(現アサツー ディ・ケイ)に就職。約10年のコピーライター人生を経て、クリエイティブ・ディレクターに昇格。プレゼンに悉く失敗する日々を独自のメソッドで克服し、世界3大広告賞 (カンヌ国際広告祭、クリオ賞、OneShow)を受賞。その後、クリエイティブ計画局長、クリエイティブ戦略本部長として、約200名のクリエイティブ部門の人事・組織・研修・ビジョン策定を担当する。2009年、博報堂DYに移籍し、エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターを務める。カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員(2004)のほか、アドフェスト、NYフェスティバル、ACC賞など国内外の広告賞で審査員を担当。著書に『教えて! カンヌ国際広告祭 広告というカタチを辞めた広告たち』(アスキー新書)などがある。2011年4月より現職。

プレゼンや発表は「対話」です。そう考えると、解決法が見えてきます。

 誰かとお茶をしに行くとき、皆さん「暗記」をしませんよね。プレゼン前は「暗記」しがちですが、それが間違いです。

相手を見ないで話すのもおかしなことです。資料ばかりに目が行って、下を向いていませんか?

また、相手の言うことを予想して会話をしていますか? 普段からしていないですよね。予定通りに進めようと考えていること自体、間違っています。

プレゼンや発表の目的は、賛成や評価を得るためで、予想通りにいくことに意味はありません。「それでいいのだ」と言う、バカボンのパパでいいんです。

話がうまくいかないと思う人は、完璧を目指してしまいます。予定通りに行くことを目的としてしまうからです。

 質問が来ないように、と願う人もいますが、質問はクリアになっていない点を明らかにする行為なので、むしろ歓迎するものです。

 では、参加者の皆さんはどのような点で困っているのか、質問に答えていきましょう。

質問1)
プレゼン中、「よく硬い」と言われてしまいます。どうすれば?

 微妙にくだけることが必要です。

 はじまりのひと言を、型通りに話さないようにしましょう。

「プレゼンの機会をいただきありがとうございます」
 ではなく、
「今日、山手線が止まっていて……」
 と何かしらのトピックスを話すことです。

 感想を先に言ってしまうことがいいです。

 「今日のネクタイ、ちょっとキュートですね」というのはハードルが高いかもしれませんが、原稿通りにしゃべらない。どのタイミングで言うべきかについては、やはり最初に入れてしまうのがベストです。

 私が岡山県に行ったとき、「空が青いですね」と、印象をそのまま言いました。のちに知るのですが、聞くと、「日本で晴天率の高い県」だと知りました。思ったことを言っただけにすぎませんが、会話の始まりと考えれば、何でもいいのです。

質問2)
返答するときに、「相手が攻撃されている」と思わせているようです。自分が感じたことを素直に言っているだけのつもりですが、何が問題でしょうか。

 いったん共感してあげる。これが大事です。
「いや……」
 と言うのではなく、
「なるほど、そういう見方もあるよね」
 と言ったあとに、ご自身の主張を言ってみるなど。

 自分の発言が否定されると、たとえ正論だろうと、感情的になってしまいますよね。「○○さんがそういうのは分かります。でも、こういう視点は……」と言ってみることで、対応が変わってきます。

質問3)
「え~」とか「あ~」など、つい言ってしまい、気にしています。また、論理的に話すことができません。どうすればいいでしょうか。

 「あの~」「え~」など、僕も言いますが、一つは気にしないことです。

 あとは、「間」をつくったほうがいいです。

沈黙を怖がって、「間」を埋めなきゃいけないと感じてしまい、言葉を挟んでしまいますが、それは逆効果です。

論理的に聞こえるようにするなら、何か意見を言ったあとに、「なぜならば」をつければOK。そのあと、「3つのポイントがあります」と言うだけです。

因果関係をまず言う、そして分ける。論理は基本的に区分けしていくことですから。

 たまに、論理的過ぎて、話が伝わらない人がいます。

 実際にあった話ですが、「まず3つ」と分ける。さらに、「ひとつ目のポイントは6個あります」と言う。合計18? 本人は論理的のつもりでも良く伝わらない。そうならないようにしてください。

質問4)
「原稿の暗記をやめる」と本にありますが、英語でスピーチするときも暗記しないのですか?

 基本、暗記はしません。暗記をしてはいけない理由は次の4点です。

1.完璧に暗記するのはそもそも難しい
2.どこかでつまずくと慌ててしまう
3.やっと覚えても、想定外の事態に弱い
4.暗記したことを思い出すことに力が入ってしまい、よくならない

 英語の場合も、暗記をしませんが、原稿は持っておきます。会長や社長、取締役を前にした会議では、全文書いた紙を持っていました。お守り扱いです。スピーチがうまい人は、ポイントを見るようにしますよね。

質問5)
発表時、モニターや資料を見てしまい、聞いてくれる人の顔が見られません。

 まずは、反応のいい人を見つけることです。

 僕は「うなずき君」と呼んでいます。賛同の意を示してくれる人を探す

 たまに、「スーパーうなずき君」がいます。そういう人を見つけるつもりで顔をあげて、どんな人がどんなふうに聞いているのかを見るクセをつけることです。

 あと一方的に見られる関係を逆転させるために、こっちから観察するように心がけましょう。「疲れているな~」とか妄想で構いません。そう思うことで「見る側」「見られる側」の立場が逆転します。

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佐藤達郎[コミュニケーション・ラボ代表]

 

1959年生まれ。81年一橋大学卒業。多摩美術大学教授(広告論、マーケティング論、メディア論)、コミュニケーション・ラボ代表。大学卒業後、スピーチ・プレゼンがとにかく苦手で「コピーライターになれる」という理由で、旭通信社(現アサツー ディ・ケイ)に就職。約10年のコピーライター人生を経て、クリエイティブ・ディレクターに昇格。プレゼンに悉く失敗する日々を独自のメソッドで克服し、世界3大広告賞 (カンヌ国際広告祭、クリオ賞、OneShow)を受賞。その後、クリエイティブ計画局長、クリエイティブ戦略本部長として、約200名のクリエイティブ部門の人事・組織・研修・ビジョン策定を担当する。2009年、博報堂DYに移籍し、エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターを務める。カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員(2004)のほか、アドフェスト、NYフェスティバル、ACC賞など国内外の広告賞で審査員を担当。著書に『教えて! カンヌ国際広告祭 広告というカタチを辞めた広告たち』(アスキー新書)などがある。2011年4月より現職。

 


本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方

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