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DOL特別レポート
2015年6月10日
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伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]

日本製造業の優位性を奪う「デジタル化」の脅威
――日の丸IoTの成否(2)

>>日の丸IoTの成否(1)から続く

アナログからデジタルへのシフトは、モノづくりのあり方を変えてしまった

 「モノのインターネット」であるIoT。日本はそこで世界をリードできるのか──。前回は、IoTの本質の一つとして、機器がネットワークにつながることで「進化する機器」と化し、ユーザーのニーズに合わせて新機能が追加されるようになることを述べた。そして、「進化する機器」が実現した背景には、「損して得とれ」の哲学に基づく「オープン・イノベーション」戦略があったことを指摘した。

 今回はインテル、マイクロソフト、アップル、グーグル、クアルコムなどの米国企業の事例を挙げながら、彼らがなぜ「オープン・イノベーション」戦略を取らざるを得なかったかを解説する。

 その上で、なぜ日本企業が同じ戦略を取れなかったのかを述べたい。

アップルやグーグル、クアルコムも
実践しているオープン・イノベーション戦略

 パソコンにおいて、マイクロソフトやインテルがオープン・イノベーション戦略を実践し、それによって「ウィンテル」を標準にしたことを前回述べた。

 同じことはスマートフォンでも行われている。

 アップルは、アプリ開発に必要となる開発ツールを提供することで、アップル以外の企業がiPhoneやiPadのアプリを開発できる環境を構築している。同様にケースについても、アップル以外の企業が容易に開発できるよう、寸法図面や設計のガイドラインなどを提供している。

 グーグルのスマートフォン・タブレット用OSであるAndroidの場合でも、同じようにアプリ開発に必要となる開発ツールが提供されている(図1参照)。

 また、Androidスマートフォンの多くにはクアルコムの通信チップが使われているが、中国などの新興企業でもスマートフォンが開発できるよう様々な開発ツールが提供されている。

 要するに、アップルの場合は自社のスマートフォンやタブレット、グーグルの場合はスマートフォンやタブレット向けのOSであるAndroid、クアルコムの場合は自社製の通信チップ、というように自社の製品が「標準」となるよう「損して得とれ」を実践しているのだ。

図1

SPECIAL TOPICS

伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]

いとう・しんすけ/株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長。1973年生まれ。京都大学大学院工学研究科卒業後、1999年に通商産業省(現、経済産業省)に入省。経済産業省では、自動車用蓄電池の技術開発プロジェクト、スマートハウスプロジェクト、スマートコミュニティプロジェクトなどの国家プロジェクトを立ち上げた後、2011~2013年には航空機武器宇宙産業課において航空機産業政策に従事。2014年7月に経済産業省を退官し、超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnOをznug design根津孝太と共に設立。


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