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投資は「きれいごと」で成功する
【第2回】 2015年6月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
新井和宏 [鎌倉投信 株式会社 取締役 資産運用部長]

いい会社は、
「お金による民主主義」を乗り越える
【特別対談】新井和宏氏×ライフネット生命・出口治明氏(1)

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『投資は「きれいごと」で成功する』を上梓し、社会性と経済性は両立できることを示した、鎌倉投信ファンドマネージャー、新井和宏氏。
これまで投資信託の世界で金融の常識を打ち破ってきた新井氏が、生命保険の世界で金融の常識を変えてきたライフネット生命・出口治明氏と、お金、企業、社会について縦横無尽に語り合い、その本質に迫る特別対談第1回。「お金の投票」「お金による民主主義」という言葉を通して2人が見る、生き残る会社に共通する条件とは?(写真:宇佐見利明)

最高峰の会社、やりがいのある仕事……
なのになぜ、体が悲鳴をあげたのか?

出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役会長兼CEO
1948年三重県生まれ。京都大学を卒業後、1972年に日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当するとともに、生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2006年に生命保険準備会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年の生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社を開業。2013年6月より現職。著書に、「生命保険入門 新版」(岩波書店)、「直球勝負の会社」(ダイヤモンド社)、「仕事に効く 教養としての『世界史』」(祥伝社)など多数。

出口 書籍、拝読させていただきました。

新井 ありがとうございます。

出口 今日は、私が新井さんにご質問をして、それにお答えいただく会、と聞いています。私は生命保険、新井さんは投資信託ということで、同じ金融業界に身を置く立場でお話を伺えたらと思います。

新井 はい。よろしくお願いいたします。

出口 最初は、テレビに出られた効果から伺います。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』にご出演されましたが、反響はどうですか?

新井 スゴイです。この間、新千歳空港でおつまみを買っていたら、店員さんから「テレビ見ました」って。声かけられちゃいました。

出口 やはりテレビの威力はすごいですね。ご著書もほぼ同時に出版されて。

新井 テレビと本が重なったのは偶然ですが、鎌倉投信を知っていただくにはいい機会でした。

出口 僕は本が好きで、頂戴した本は全部目を通させてもらうのですが、ひとつだけ決めていることがあります。それは、まず5ページから10ページ程度読んでみてピンとこなかったら読まない、ということ。この本とはご縁がなかった、と思うようにしているのです。反対に冒頭のページを読んでみて読みたいと思ったら最後まで一気に読む。オールオアナッシング、です。

新井 それは怖いですね。

出口 新井さんのご著書『投資は「きれいごと」で成功する』は全部読みました。外資系の運用会社で大きなお金を動かされていたのに、いまは「いい会社に投資をする」投資信託を運用されている。前職で体を壊されたとのことですが、これが転機になったのですか。

新井 はい。住友信託銀行から、外資系の運用会社バークレイズ・グローバル・インベスターズ(以下BGI、現在はブラックロック・ジャパン)に転職しました。当時BGIは運用規模が国内ナンバーワンだったので、最高峰の会社で仕事ができると意気込んだのですが……でも、プレッシャーもあったんですね。体が悲鳴をあげました。

出口 そうですか。

新井 忙しい最中に連休がとれて、休暇を過ごすオーストラリア行きの飛行機で倒れました。足に水疱ができたので「水虫かな」と思っていたのですが、「掌蹠膿疱症」という病気でした。ストレス性の難病です。
 私ね、仕事をする人間として「集中できない」というのが許せないんです。でも闘病中は、水疱がかゆくて眠れなくて。眠くて仕事に集中できないので、退職することにしたんです。

出口 病気の原因で、何か思い当たることはありましたか?

新井 いえ。会社も仕事も好きでしたし、年金を運用していましたから社会的責任も感じていました。でもね、辞めるときに仲間から「新井さん、よかったね」って言われたんです。なぜだか、わかりますか?

出口 いえ、わかりません。

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新井和宏 [鎌倉投信 株式会社 取締役 資産運用部長]

 

1968年生まれ。東京理科大学工学部卒。
1992年、住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)に入社。2000年には、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現・ブラックロック・ジャパン)に入社。企業年金・公的年金などを中心に、株式、為替、資産配分等、多岐にわたる運用業務に従事し、ファンドマネージャーとして数兆円を動かした実績がある。だが2007~2008年、大病を患ったこと、そしてリーマン・ショックをきっかけに、それまで15年以上信奉してきた金融工学、数式に則った投資、金融市場のあり方に疑問を持つようになる。
2008年11月、志を同じくする仲間4人で、鎌倉投信株式会社を創業。2010年3月より運用を開始した投資信託「結い 2101」の運用責任者として活躍している。経済的な指標だけではなく社会性も重視する、投資先企業をすべて公開するなど、従来の常識をくつがえす投資哲学のもとで運用されている商品でありながら、個人投資家(受益者)8,900人以上、純資産総額130億円超(どちらも2015年2月時点)となっている。また、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」でも上位の常連となり、また、2013年には格付投資情報センター(R&I)でも最優秀ファンド賞(投資信託 国内株式部門)を獲得するなど、人気、実績を兼ね備える投資信託へと成長している。
他に、横浜国立大学経営学部非常勤講師、特定非営利活動法人「いい会社をふやしましょう」理事、経済産業省「おもてなし経営企業選」選考委員(平成24、25年度)も務めている。

 


投資は「きれいごと」で成功する

「鎌倉投信」という運用会社を、ご存じでしょうか。
その社名どおり、鎌倉に社を構え、投資信託を運用、販売する、創業約7年のベンチャー企業です。
販売している商品は、「結い2101」という投資信託1つだけ。

しかし、いま、この小さな金融ベンチャーは、
2つの理由で日本中から大きな注目を集めています。

1つは、「結い2101」の投資先企業の特徴です。
鎌倉投信は、利益をあげながら社会に貢献している「いい会社」にしか投資しないのです。

そしてもう1つが、「実績」です。
2014年、格付投資情報センター(R&I)の選定する『R&I ファンド大賞 2013』において、
1位を意味する最優秀ファンド賞(投資信託 国内株式部門)を獲得したのです。

この鎌倉投信の「運用」を支えるファンドマネージャー、新井和宏氏が、
自らの投資哲学と手法から、
本当に「きれいごと」で投資がうまくいくのか、を解き明かします。

「投資は「きれいごと」で成功する」

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