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中国関連会社が破綻!
LIXIL大損害は何が問題だったのか

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第380回】 2015年6月15日
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企業経営者にとって
対岸の火事ではない

積極的な海外M&Aで成長して来たLIXILだが…… Photo:Rs1421 2011

 LIXILという社名は、一般的になじみが薄いかもしれない。住宅や商業用ビルの建材や水回り設備、さらにはホームセンターや住宅関連のフランチャイズなどを幅広く展開する企業だ。傘下のブランド・子会社には、INAX、トステム、新日軽、サンウエーブなどがある、それらの名前を聞くと、恐らく、同社の具体的なイメージができるだろう。

 主な業務を考えると在来型の国内企業のように思いがちだが、欧米型の経営者である藤森社長の方針もあり、米国や中国、イタリア、インドなど海外展開も積極的に行っている。

 同社の発表によると、グループ企業である中国のジョウユウの破産手続きによって、662億円の損失が発生する見込みだ。それに伴い、2015年3月期の当期利益を大幅に下方修正することになる。そのインパクトは小さくはない。

 ジョウユウ破綻の背景には、不正な経理処理があったことに加えて、LIXILが買収する以前から巨額の簿外債務を抱えていたことがある。積極的なM&A手法によって拡大を続けてきた同社にとって、今回の中国子会社の破綻が大きな痛手になるのは確かだ。

 重要なポイントは、企業買収などによって新規の事業や地域に進出する場合、取得する企業に対するガバナンス=企業統治に関して大きなリスクを伴うということだ。

 欧米企業での経験を持つ藤森社長であっても、内部管理体制などに抜け穴があると、そのリスクを未然に防ぐことが難しい。今後、わが国企業は国内外でM&Aに関与することが多くなるだろう。今回のケースは、ガバナンスの重要性を再認識させる事例だ。多くの企業経営者にとって、決して“対岸の火事”ではない。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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