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小宮一慶の週末経営塾

アイデア社長が会社を潰す

小宮一慶
【第8回】 2015年6月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
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アイデア社長の案でも
あくまで「仮説」

 これまでの連載で「企業の方向づけ」が大切だということを説明し、先にスカイマークの事例で、「方向づけ(何をやるか、やめるか)」の判断の誤りが会社を破たんさせた事例を説明しました。シャープや大塚家具の事例でも、方向づけが大切なことが分かりますね。

 もちろん、100%完全な判断はできませんが、大切なことは、方向づけの判断は、あくまでも「仮説」だということです。それは「結論」ではありません。

 そのためには「独断」を避ける、つまり、松下幸之助さんのおっしゃる「衆知を集める」ことが大切です。

小宮一慶 小宮コンサルタンツ代表

 経営者の中には、「自分が言ったことは絶対だ」と考える人もいます。しかし、それも全て仮説です。スカイマークなどの事例を考えてもらえば、良くお分かりのことと思います。

 私が好きな経営コンサルタントで、15年ほど前に80歳で亡くなられた一倉定先生の名言の一つに、「アイデア社長が会社を潰す」というのがあります。

 社長であれば色々とアイデアを思いつきますし、アイデアを持つこと自体は悪いことではありません。ただし、それをあくまでも「仮説」だと思えなかったらダメだということです。

 社長である自分のアイデアは「絶対」だ、と思ってしまう経営者が少なからずいるものですが、そもそもこの世の中、アイデアが100%当たることなどあり得ません。まずは、どんなアイデアも「仮説」の一つだと考えることが大切です。

 成功する確率の高いアイデアを出せれば出せるに越したことはないけれど、それでも、あくまで「仮説」ですから、それを検証することが必要なのです。

 社長が言ったことは、部下は「ダメだ」と思っても聞かざるを得ないのです。少なくとも聞いているふりはしないといけないのです。そのアイデアが部下を振り回すことになりかねないのです。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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