強烈なバッシングや炎上を経て、現在進行形で“嫌われる勇気”を手に入れつつあるという、ブロガー/作家のはあちゅうさん。その、野望を隠さず次々と夢を叶えていく姿勢には、多くの人から共感が寄せられています。ところが、そんなはあちゅうさんが幸せを感じる瞬間は、意外なところにありました。
働く女性のためのファッション誌『Oggi』で行われた、『嫌われる勇気』著者・岸見一郎氏とはあちゅうさんによる対談スピンオフ版の後編です。(構成:酒井亜希子/スタッフ・オン、写真:江口登司郎)

10年間たたかれ続けて
覚悟ができた

はあちゅう
1986年生まれ。ブロガー/作家。慶應義塾大学在学中にブログを使って「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを実行し、女子大生カリスマブロガーと呼ばれる。2009年に電通入社後、中部支社勤務を経てクリエーティブ局コピーライターに。2011年にトレンダーズに転職し、美容クーポンサイト「キレナビ」編集長や動画サービスに関わる。2014年9月よりフリーランスで、講演・執筆活動、ウェブサービスの運営を続けている。著書に『自分の強みをつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『恋愛炎上主義。』(ポプラ社)、『半径5メートルの野望』(講談社)など。

はあちゅう 私、まだ芸能人くらいしかネットで顔を出していなかった10年前から顔出しでブログをやっているんですが、当時は「ブスなのに写真を載せるな」ってそれはもうすごいバッシングだったんです。Googleで「ブス」と画像検索したら、私の顔がトップに表示されたりして……。

岸見一郎(以下、岸見) はあちゅうさんの著書『半径5メートルの野望』でもそのエピソードは強烈でした。

はあちゅう 読んでくださったんですか! ありがとうございます。もちろん私にも原因はあったと思うんですが、とにかく今まで受けたことがないバッシングに傷ついて、鏡が見られなくなって、寝込んで、大変でした(苦笑)。

岸見 僕もパソコン通信時代からコンピュータに触っているので、似たような経験をしたことがあります。たとえば「あなたは嫌な人だ」とたたかれると、まるで自分が実際に嫌な人間になってしまったかのように感じてしまいます。他人から受ける評価と、自分の本質は違うのに。「たとえ批判されても、自分が実際にそのことで嫌な人間になるわけではない」と気づくまで、ずいぶん時間がかかりました。

はあちゅう 先生でも、ですか!? 私の場合はあるときふと、「あれ? 私は何に悩んでいたんだろう」って思ったんです。私のことを「ブス」って書いた人たちがのうのうと暮らしているのに、私は2日間寝込んで、リアルな生活で家族にも心配をかけているなんてバカバカしいと。そんな人の意見に振り回されない自分をつくっていこうと思ったんです。それが私にとっての“嫌われる勇気”なのかなって。