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ギリシャ問題がここまで悪化した本当の理由

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第384回】 2015年7月10日
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最悪の場合は世界経済にも大きな痛手に
ギリシャという厄介な国

状況によっては、ユーロの仕組み自体が信認を失い、瓦解することにもなりかねない

 相変わらず、ギリシャをめぐるイベントが世界の注目を集めている。わが国経済の20分の1以下の規模のギリシャでの出来事が、これほどまで世界経済に無視できない影響を与えることになろうとは、多くの人は考えていなかっただろう。

 ギリシャ経済の規模から考えると、「デフォルトになるのならお好きなように」と言いたくなるのだが、同国の後ろにはユーロという人類史上最大規模の経済的実験が存在する。

 ギリシャの危機的状況が予想外の方向に進むと、ユーロの仕組み自体が信認を失い、最終的にシステムが瓦解することにもなりかねない。

 最悪のケースを想定すると、世界経済にも大きな痛手を与えることになりかねない。その意味では、ギリシャはとても扱いが難しい厄介な国になっている。

 足元の展開に一喜一憂する前に、ここでギリシャに関する事態がここまで悪化した本当の理由を考えてみたい。おそらく、同国のチプラス首相の言動を、深く理解することができる人はそれほど多くはないだろう。

 同氏の発言は常に場当たり的で、何故、あれほどまでに強気でいられるのか不思議だ。交渉相手のEU、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)からの信認はほぼ完璧に失い、ほとんど愛想を尽かされているといった様相だ。

 ただ冷静に考えると、チプラス首相は選挙によって選出されたリーダーだ。同氏の後ろには、多くのギリシャ国民がいると考えるべきだ。そこには、われわれ日本人の理解を超えたギリシャの国民性があると言えるかもしれない。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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